防衛省・自衛隊における新型コロナウイルスの感染者数が11月、月間で初めて100人を超えた。教育課程で集団感染が発生した陸上自衛隊東千歳駐屯地(北海道千歳市)をはじめ、道内の感染者が押し上げた格好となっている。
防衛省によると、11月の感染者数は25日時点で107人。うち9割弱にあたる95人が陸自で、その中で北海道関係が61人を占める。道内の駐屯地6カ所と地方協力本部1カ所に勤務する隊員だった。
このうち東千歳駐屯地は、道から3回にわたってクラスター(感染者集団)の発生が認定された。認定日は1回目が10月10日(同23日に収束)、2回目が11月2日(同15日に収束)、3回目が同16日。道によると、道内で他にクラスターが3回認定された施設はない。
3回目のクラスターは、東千歳駐屯地で10月初旬に始まった教育課程で起きた。教育課程では、道内各地から集まった隊員約100人が4クラス(区隊)に分かれて活動。同一のクラスで11月11~15日に10~20代の男性計16人の感染が確認された後、18日に別のクラスの20代男性4人の感染が明らかになった。さらに25日、20代男性16人の感染が発表され、感染者は教育課程受講者の4割弱に広がっている。重症者はいないものの、まだ検査を受けていない人もいるという。
感染経路は不明だが、教育課程の開始前、受講者には2週間の健康観察が行われた。1人目の感染判明まで2週間以上が経過しており、ウイルスは教育課程の開始後に持ち込まれた可能性がある。陸上幕僚監部は「道内で感染者が増え、市中感染のリスクが高まっていることを再認識し、マスクや手洗い、3密回避といった基本を徹底するほかない」としている。
防衛省の集計によると、防衛省・自衛隊の3~6月の感染者数は14人だったが、7月は37人、8月は61人と急増した。9月は26人に減ったものの、陸自朝霞駐屯地(東京都、埼玉県)で行われた教育課程で集団感染が発生した10月には、再び65人に増えていた。
防衛省は感染予防策として、全国の自衛官や事務官に対し、少人数での「会食」を除き、酒食を伴う業務の打ち合わせである「会合」や宴会、キャバクラなど接待を伴う店の利用を事実上禁じている。また、各駐屯地・基地では、食堂の利用時間をずらすなどさまざまな3密回避に取り組んでいる。【松浦吉剛】