コロナ交付金で「感染差別根絶の鐘」はあり? 佐賀県議会で激論に

民放番組やネット上などで国の新型コロナウイルス対策の交付金を活用するのが批判され、注目を浴びている佐賀県の「誓いの鐘」事業。県議会11月定例会では議員から「県の一般財源を使うべきでは」との指摘もあり、連日激論が繰り広げられている。山口祥義(よしのり)知事は3、4日の答弁で、議会での議論次第では交付金ではなく一般財源を充てる可能性にも言及した。
県は感染者に対する差別を根絶するためとして「佐賀誓いの鐘(仮称)」を県庁に設置する事業費として約780万円を計上。一般会計補正予算案を11月定例会に提案している。財源には国の新型コロナ対策の地方創生臨時交付金を活用する。この事業などが批判の的となっており、県広報広聴課には4日までに交付金の使途についての電話やメールが215件寄せられている。多くは批判的な意見という。
3日の県議会一般質問では中村圭一議員(自民)が「多くの疑問の声が上がる中でつくっても鐘の音色が人々の心の奥に届くはずがない」と指摘。「実現のさせ方を再考してほしい」と求めた。
山口知事は「(寄付では)限られた人の思いになる」と説明し、「税金を原資とした議案とし、県民の代表である県議会が可決して設置することで県民の総意として掲げられる。そこに大きな意義がある」と理解を求めた。一般財源を使うべきだとの指摘には「(交付金と一般財源と)両方あり得る。ここは議論があるところ」と含みを持たせた。
4日には、下田寛議員(県民ネット)の質問に「国の交付金を退けて一般財源で設置することに意義があるということであれば、そういう議論もある」と答弁。県議会事務局によると、議案の財源構成を変える場合は県側が修正を申し出るか、議会側が修正議案を可決することが必要となる。山口知事は報道陣の取材に「今財源は交付金になっているが、あとは議論していただいたらいい。(県側から一般財源化を提案することは)考えていない」と語った。【池田美欧】