知人殺害、歯科医師に懲役19年=公判前整理に6年―静岡地裁支部

浜松市で2012年7月、知人男性=当時(68)=を殺害したとして、殺人と死体遺棄などの罪に問われた同市東区の歯科医師、藤井敏美被告(65)の裁判員裁判の判決が8日、静岡地裁浜松支部であり、山田直之裁判長は懲役19年(求刑懲役20年)を言い渡した。
山田裁判長は「身勝手と言うほかなく、同情の余地はない」と批判。藤井被告は「全て私の知らないことだ」と無罪を主張していたが、土地の強制執行手続きなどをめぐり男性とトラブルになっていたことから「殺害する動機があった」と退けた。
裁判は、証拠開示の調整に時間がかかったことなどから、争点を絞り込む「公判前整理手続き」に約6年を要した。最高裁によると、同手続きの期間としては過去最長という。
裁判員を務めた50代男性は判決後に記者会見し、「長期間で内容的にも大変な裁判だったが、最後まで参加したいと思っていた」と振り返った。
判決によると、藤井被告は12年7月、男性に睡眠導入剤を投与して意識をもうろうとさせ、クロロホルムを吸引させるか、その他の方法で殺害し、遺体を浜松市の車庫に遺棄した。
[時事通信社]