被告「一生謝罪と償いを尽くす」 自転車店長殺害で無期懲役求刑 福岡地裁公判

福岡市博多区の自転車販売店で3月、店長の小森寛子さん(当時42歳)を殺害し、現金を奪ったとして強盗殺人罪などに問われた住居不定、無職、佐々木達也被告(35)に対し、検察側は9日、福岡地裁(溝国禎久裁判長)の裁判員裁判で無期懲役を求刑した。弁護側は殺意はなかったとして強盗致死罪の適用を求め、結審した。判決は14日。
検察側は論告で、佐々木被告は1人で営業している小森さんを背後から襲い、もみ合いになった後、馬乗りになって両手を使い、首を絞めたと説明。ちょうどその時来た客を閉店を装って追い返し、再び首を絞めていることから強固な殺意があったと指摘した。さらに奪った金でキャバクラ店で遊興したと批判した。
弁護側は失神させようとして首を絞めたと主張。個人的な悩みから冷静さを失って起こした場当たり的な犯行で、真摯(しんし)に反省していると強調した。求刑の後、佐々木被告は「被害者と遺族に深くおわび申し上げる。この先一生謝罪と反省、償いを尽くすと固く誓います」と謝罪し、傍聴席を向いて頭を下げた。
起訴状によると、佐々木被告は3月4日午後4時~5時40分ごろ、金品を奪う目的で店の正面出入り口から侵入。小森さんの首を絞めて殺害し、少なくとも現金10万7500円を奪ったなどとされる。【浅野孝仁】