福岡市博多区の自転車販売店で2020年3月、店長の小森寛子さん(当時42歳)を殺害し、現金を奪ったとして強盗殺人罪などに問われた住居不定、無職、佐々木達也被告(35)に対し、福岡地裁の裁判員裁判は14日、求刑通り無期懲役を言い渡した。溝国禎久裁判長は、争点となった殺意を認定したうえで「他人の生命を犠牲にしてでも自分の都合を優先させた態度は強く非難される」と述べた。
弁護側は、小森さんを失神させようとして首を絞めており、殺意はなかったと主張した。これに対し、溝国裁判長は、佐々木被告が小森さんに馬乗りになって首を絞めている最中に来客があり、客を追い返した後に再び首を絞めた行為を非難。「被害者は自力で逃げ出すこともできないほど弱っていたにもかかわらず1回目よりも長く首を絞め続けており、死亡させる危険性はこの上なく高い」と弁護側の主張を退けた。
溝国裁判長は「被害者の恐怖、絶望、苦痛は計り知れない」と指摘。殺害して奪った金でキャバクラ店などで遊興した行為などを挙げ「あまりにも身勝手で、動機や経緯に酌むべき事情は見いだせない」などと量刑理由を述べた。
判決によると、佐々木被告は3月4日午後4時~5時40分ごろ、金品を奪う目的で店の正面出入り口から侵入。小森さんの首を手で絞めて殺害し、少なくとも現金10万7500円を奪うなどした。【浅野孝仁】