教師の「わいせつ行為」認めない教育委員会、被害訴えた女性「公正に判断して」あす判決

「教育委員会がきちんと対応してくれれば、訴訟も起こす必要はありませんでした」 そう話すのは、石田郁子さんだ。札幌市立中学生だった15歳のとき、男性教師から性暴力を受け、19歳になるまでわいせつな行為が繰り返されたとして、札幌市と男性教師を相手取り、損害賠償を求めた裁判を起こしている。 石田さんの訴えている控訴審は12月15日、東京高裁で判断が下されるが、石田さんは提訴前、札幌市教育委員会に対して、男性教師のわいせつ行為について証拠を提出し、事実を調査して適切に処分するよう何度も求めてきた。 しかし、札幌市教育委員会は「教師本人が否定している」「もし処分すれば男性教師から訴訟を起こされるリスクがある」などの理由から、現在に至るまで何も対応していないという。 石田さんが2020年5月、教師による性暴力についてアンケート調査をおこなったところ、被害にあった子どもの保護者が学校側に伝えても隠ぺいされたケースや、同僚教師が気づいても見て見ぬふりをしたケースがいくつもあった。 教師による性暴力は年々増加しているが、それも「氷山の一角」といわれる。今後、どのような対策が望まれるのか。石田さんに聞いた。(弁護士ドットコムニュース・猪谷千香) ●市教委に懲戒免職処分求める 訴状などによると、男性教師によるわいせつ行為が始まったのは1993年3月。石田さんは中学の卒業式前日に男性教師から呼び出され、キスされた。わいせつな行為はエスカレートし、19歳になるまで繰り返された。石田さんは後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されている。 石田さんが性暴力に遭っていたことに気づいたのは30代になってからだった。そこで2016年2月、弁護士らとともに市教委を訪れ、男性教師への懲戒免職処分を求めた。男性教師はまだ現役で教壇に立っていた。「子どもたちに、自分と同じような被害に遭ってほしくない」という思いからだった。 実は、市教委に申し入れをする2カ月前、石田さんは男性教師に面会している。そこで男性教師が事実をおおむね認めて謝罪している会話を録音。後日、証拠として市教委に提出した。 (編集部注:この録音については裁判でも証拠として石田さん側は提出しているが、男性教師側は石田さんが家庭で問題を抱えており、精神が不安定だったため、その場を逃れるために認めるふりをしただけだとして、事実を否定している) この録音以外にも、石田さんはわいせつ行為の裏付けとなる資料を次々と提出した。たとえば、何冊にもなるスケッチブック。美術が好きだった石田さんは、男性教師の姿を描いたクロッキーを多数残していた。
「教育委員会がきちんと対応してくれれば、訴訟も起こす必要はありませんでした」
そう話すのは、石田郁子さんだ。札幌市立中学生だった15歳のとき、男性教師から性暴力を受け、19歳になるまでわいせつな行為が繰り返されたとして、札幌市と男性教師を相手取り、損害賠償を求めた裁判を起こしている。
石田さんの訴えている控訴審は12月15日、東京高裁で判断が下されるが、石田さんは提訴前、札幌市教育委員会に対して、男性教師のわいせつ行為について証拠を提出し、事実を調査して適切に処分するよう何度も求めてきた。
しかし、札幌市教育委員会は「教師本人が否定している」「もし処分すれば男性教師から訴訟を起こされるリスクがある」などの理由から、現在に至るまで何も対応していないという。
石田さんが2020年5月、教師による性暴力についてアンケート調査をおこなったところ、被害にあった子どもの保護者が学校側に伝えても隠ぺいされたケースや、同僚教師が気づいても見て見ぬふりをしたケースがいくつもあった。
教師による性暴力は年々増加しているが、それも「氷山の一角」といわれる。今後、どのような対策が望まれるのか。石田さんに聞いた。(弁護士ドットコムニュース・猪谷千香)
訴状などによると、男性教師によるわいせつ行為が始まったのは1993年3月。石田さんは中学の卒業式前日に男性教師から呼び出され、キスされた。わいせつな行為はエスカレートし、19歳になるまで繰り返された。石田さんは後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されている。
石田さんが性暴力に遭っていたことに気づいたのは30代になってからだった。そこで2016年2月、弁護士らとともに市教委を訪れ、男性教師への懲戒免職処分を求めた。男性教師はまだ現役で教壇に立っていた。「子どもたちに、自分と同じような被害に遭ってほしくない」という思いからだった。
実は、市教委に申し入れをする2カ月前、石田さんは男性教師に面会している。そこで男性教師が事実をおおむね認めて謝罪している会話を録音。後日、証拠として市教委に提出した。
(編集部注:この録音については裁判でも証拠として石田さん側は提出しているが、男性教師側は石田さんが家庭で問題を抱えており、精神が不安定だったため、その場を逃れるために認めるふりをしただけだとして、事実を否定している)
この録音以外にも、石田さんはわいせつ行為の裏付けとなる資料を次々と提出した。たとえば、何冊にもなるスケッチブック。美術が好きだった石田さんは、男性教師の姿を描いたクロッキーを多数残していた。