悩みを抱えた若い女性を支援するNPO法人「BONDプロジェクト」(東京都渋谷区)の橘ジュン代表は公判を5回傍聴し、11日には立川拘置所で白石隆浩被告と面会した。判決を受けて「事件は今も起こりうることで、終わっていない」と話す橘さんに、取り組むべき課題を聞いた。【聞き手・林田奈々】
法廷の被告はもの静かな人物に見えた。検察側の証拠を聞くと、被告はネット交流サービス(SNS)で敬語を使い、徹底して被害者に合わせてやりとりしていた。心の弱った被害者たちは、被告に共感してもらえて、深いつながりを得たと思ったのかもしれない。
そんな被告が、被害者に会い、事件を起こす瞬間には、スイッチが入るように態度を一変させたことを知り、寒気がしてきた。
再発防止のために必要なことは何なのか。面会して尋ねてみた。「24時間受け付けられる相談体制ができたら、犯罪に巻き込まれないかもしれない。女の子はさみしいと思った瞬間、話したいと感じるから」。被告は法廷で見たのと同じ、柔らかな表情で語った。
私たちは事件後の3年間、ネットの書き込みをパトロールし、被害に遭いそうな子を探して支援してきた。話を聞いて、いつでもSOSを書き込める掲示板の必要性を痛感した。
どうしようもなく追い込まれ、「10人目(の被害者)になりたかった」と言わざるを得ない子が今もいる。SNSという仕組みが危険だというのではなく、安心して弱音を吐き出せる場をつくりたい。多くの人と思いを共有し、再発防止の取り組みを広げたい。
一方で、加害者になるような人も悩みを抱えているはずで、彼らの話を聞く場も必要だと考えている。被告にも相談できる場があったら、結果は違っていたのかもしれない。
SNSで悩みを受け止める活動をするNPO法人(厚生労働省のサイトから)
■自殺対策支援センターライフリンク
SNSやチャットで相談に応じ、必要に応じて電話や対面による支援も
■東京メンタルヘルス・スクエア
LINEやツイッター、フェイスブックを通じてチャット形式で相談に応じる
■チャイルドライン支援センター
18歳以下を対象に電話(0120・99・7777)、チャットで相談に応じる
■BONDプロジェクト
10~20代の女性のためにLINEで相談を受け付ける