東京の医療は「瀬戸際の状態」…病院悲鳴「患者が次から次に」

新型コロナウイルスの新規感染者が800人を超えた東京で、医療提供体制の警戒レベルが「

逼迫
( ひっぱく ) 」を示す最高段階に初めて上がった。増え続ける感染者に最前線で対応する医療従事者の負担は増しており、通常の医療に影響が及びかねない「瀬戸際の状態だ」との危機感が強まっている。
「患者が次から次へと運ばれ、気が休まらない状態が続いている」。中等症までのコロナ患者を連日受け入れている平成立石病院(葛飾区)の大沢秀一院長(55)は17日、現場の実情をそう明かした。
同病院では、203床のうち、コロナ病床として19床を確保している。11月中旬から常に満床の状態で、患者が朝に退院しても、昼頃には東京都から新規患者の受け入れ要請があり、夕方には再び病床が埋まる状況だという。
コロナ以外の一般病床も約9割が稼働しており、大沢院長は「通常の診療とコロナ対応の両立は、本当にぎりぎりの状態だ」と話す。
コロナで入院する患者の7~8割は、重症化しやすい65歳以上の高齢者だ。症状が悪化し、重症患者を受け入れている病院に転院可能か打診しても、断られることもあるという。平成立石病院では今後、医師らが防護服を着脱するスペースに、コロナ病床を3~4床増やすことも検討しており、大沢院長は「医療体制を守るため、一人ひとりが感染予防を徹底してほしい」と求める。
都によると、都内の17日時点の入院患者は1952人で、うち重症患者は66人。1週間前の10日時点と比べ、それぞれ67人、7人増えた。医療従事者の負担は、重症患者を受け入れる病院でも増している。
順天堂大学病院(文京区)では、重症患者用の病床を集中治療室(ICU)に10床確保している。最近は5~6人を受け入れているが、夜間や休日は、肺炎の症状で救急搬送される患者についても、検査で陰性と確認されるまで重症患者と同様の対応を取るため、事実上100%近い稼働率になるという。
内藤俊夫・総合診療科教授は「病床使用率は50~60%なので、数字だけ見れば余裕があるように見えるかもしれないが、現実には常に10人近い重症患者に対応しているのと同じ負担を強いられている」と訴える。
都の警戒レベル引き上げを受け、内藤教授は「さらに多くの重症患者を受け入れることになると、ICUで働く看護師などの補充が必要だ。そうなると、予定していたがんの手術を延期するなど、別の病気の患者さんの診療に影響が出かねない」と懸念する。