建設現場でのアスベスト(石綿)による健康被害を巡る訴訟で、規制を怠った国の責任を認める司法判断が最高裁で確定したことを受け、田村憲久厚生労働相は23日、厚労省内で原告らと面会し「大変重く受け止めさせていただき、深くおわび申し上げたい」と謝罪した。被害者の救済や同種訴訟の対応について「判決を厳粛に受け止め、適切な対応を取らせていただきたい」と述べた。
原告団と弁護団は、速やかな賠償や原告以外の被害者救済に向けた補償基金制度の創設、関係省庁を含む協議の場を設置することなどを要望した。
面会後、原告の大坂春子さん(77)は「この日を待ち続けていた。代表で訪れたけれど、『できることなら皆さん大勢の前で謝ってほしかったのが私の願いでした』と申し上げたら、大臣はうなずいてくれたので一安心した」と目に涙を浮かべた。2003年と14年、石綿が原因の胸膜中皮腫で、いずれも大工だった夫(当時65歳)と長男(同46歳)を亡くしており、遺影に向かって「きちんとした報告ができて本当にうれしい」と声を詰まらせた。
石綿被害を巡っては、石綿工場の元労働者らが原告の「泉南アスベスト訴訟」で14年、国の責任を認める最高裁判決が出たことを受け、当時の塩崎恭久厚労相が謝罪している。【矢澤秀範】