新型コロナウイルスの感染拡大により東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県に緊急事態宣言が再発令されて初めての朝を迎えた8日、東京・新橋の駅前では、発令前と変わらず通勤するマスク姿の人が見られた。
機械メーカーに勤めるペルー国籍のデニー・サキヤさん(48)は午前8時半ごろ、都営地下鉄を使って新橋駅に到着した。「電車の混雑は宣言前とあまり変わっていない」と感じたという。政府は「出勤者数の7割削減」を目指してテレワークの推進を打ち出すが、「営業職で、人と会わないと成り立たない仕事。テレワークはできない。今日も通常通りに来てしまいました」と話した。
歯科衛生士の三日尻智子さん(43)も午前9時半の始業に合わせ出勤した。仕事柄、在宅勤務は難しい。勤務先の歯科医院は平時に比べて来院する人の数は減っており、週に1回、休日が増えることもあるというが、「コロナ禍でずっとリスクと向き合い続けている。しょうがないと思っています」と話し、足早に職場に向かった。
原子力関係の会社に勤める男性会社員(45)も「機密性の高い情報を扱うので、出社せざるを得ない」と説明。その上で「感染への怖さはあまり感じなくなった。ここまで感染者が増えたら、誰が感染しているか分からない。諦めにも似た気持ちがある」と吐露した。別の男性会社員(38)は、建物の設備管理の仕事で現場を回るため平時と変わらない時間帯に出社しているとし、「せめて会社に時差出勤を取り入れてもらい、密を避けられるなら避けたい」とこぼした。
一方、いつもは新橋に出勤していた広告代理店の営業職の男性(30)は昨年の緊急事態宣言発令以来、在宅勤務が定着した。出社するのは週1~2回程度で、出社している従業員は1割程度しかいないといい、この日の朝も自宅でパソコンに向かって仕事を始めた。「取引先との連絡も含めてリモートが定着した。緊急事態宣言が出ても働き方は変わらない」と話した。【巽賢司】