特定地域を名指し「成人式に参加しないで」…自治体要請に波紋、差別助長と懸念も

新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が11都府県に再び発令される中、宣言地域の住民らを対象に、自治体が、イベントへの参加や飲食店の利用を自粛するよう求める動きが出ている。都道府県をまたぐ移動の自粛が求められ、地元では支持する声があるものの、専門家らからは、特定の地域を名指しするなどした呼びかけは、差別を助長しかねないと懸念する意見も出ている。

「成人式の参加は控えてください」。仙台市は昨年12月25日、成人式への参加を事前登録していた新成人約4600人にメールを送った。要請の対象は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を中心とする宮城県外在住の新成人約1000人。感染拡大地域からの移動により、市内の感染リスクが高まると判断した。郡和子市長は今月4日の記者会見で「首都圏、とりわけ東京では爆発的に感染者が増えている。大人の判断をしてほしい」と呼びかけた。
式は10日に開催され、約4400人が参加したが、市の方針には批判的な声も上がり、「参加したいので、延期してほしい」「中止にすべきだ」といったメールが100件以上寄せられた。同市出身で福島県に住む男性(20)は出席を見送ったが、取材に「県内か県外かで線引きするのはおかしい」と疑問を呈した。
一方、宮城県白石市は県外在住者の参加自粛は求めなかった。担当者は「県外に住むことを理由に、一律に自粛を促すという対応は違うのではないか」と話す。
成人式を巡っては、東京都練馬区も、区外に住む新成人に参加の自粛を呼びかけた。会場が「密」になるのを避けるためだったが、最終的には式を中止し、オンライン開催に切り替えた。鹿児島市も1都3県からの参加を控えるようメールで要請。協力した人には特産品の大島


( つむぎ ) のマスクなどを贈るという。

静岡県御殿場市では、7日に1都3県に宣言が再発令された後、昨年8月に引き続き、「

一見
( いちげん ) さんお断り 店主・御殿場市」と書いた貼り紙を作成。御殿場駅周辺の飲食店を中心に約200店舗に配布した。同市には、大型アウトレット施設を目当てに首都圏から訪れる客も多く、飲食店側から「県外からの客が怖い」との声が寄せられていた。