鼻出しマスク、マスク拒否対応苦慮 眼鏡曇らないようにする対策も

新型コロナウイルスの感染予防のなか、鼻を覆わず口だけマスクをする「鼻出しマスク」が問題になっている。今月16、17日に行われた大学入学共通テストでは、鼻出しマスクを試験監督に再三注意された受験生が失格に。一方で客商売では「鼻まで覆うよう注意するのは難しい」との声も上がり、対応に苦慮している。
共通テストの第1日程1日目の16日、東京都内の会場で受験生の40代男性が鼻出しマスク姿で受験。試験監督が6回にわたり鼻までマスクをするよう求めたが応じず、「次は不正行為になる」と伝えた後も拒否したため、不正行為で失格となった。男性はその後、トイレに閉じ籠もる騒ぎを起こし、建造物不退去の疑いで警視庁に現行犯逮捕。その後釈放された。
厚生労働省の感染対策のポスターでは「正しいマスクの着用」として「鼻と口の両方を確実に覆う」と記している。自分の鼻から飛沫が出るうえ、人が出した飛沫を吸い込む恐れがあるからだ。大学入試センターの担当者は「受験生に対しては厚労省などの呼びかけに準じ、マスクを正しく着用するよう呼びかけている」と説明する。
《マスク無し、鼻マスクは入店禁止》《鼻マスクはマスクしてないのと一緒》
東京・渋谷の若者に人気の商業施設「渋谷109」にある洋服店「KRYCLOTHING(ケリークロージング)」は13日、SNS(会員制交流サイト)でこんなメッセージを発信し、鼻を出した状態で来店しないよう呼びかけた。
女性店員(35)は「昨年末から感染者が多くなり、お客さんにも鼻出しマスクを禁止することにした。まれに鼻を出しているお客さんもいるが、軽くお願いすれば『すみません』と鼻までしてくれる」と話す。
一方、仙台市の家電量販店で働く男性(28)は「鼻までマスクをしていない客は全体の2、3割ほど見かけるが、注意はできない。むっとされてしまうと良くない」と打ち明ける。JR東日本も、乗客に個別に注意するのではなく「車内や駅構内のアナウンスで、ご協力をお願いしている状態」という。
注意しづらい鼻出しマスク。どう対処すればよいか。新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「マスクをしていると息苦しいが、外すと白い目で見られるので、鼻だけ出してしまうのではないか」と分析。「しっかりマスクをしてほしい場面では『違反者』扱いするのでなく、丁寧な言い方で注意するのが効果的だろう」と話した。
■眼鏡曇らないようにするには
鼻出しマスクをする理由としては眼鏡が曇ってしまうということもある。受験シーズンが本格化するなか、眼鏡が曇らないようにマスクを着用するには、どうすればいいだろうか。
警視庁警備部災害対策課のツイッターでは、眼鏡が曇るのを防止するための方法を紹介。一つはマスクの上部を折り曲けて着用する方法で、もう一つはマスクの内側に四つ折りにしたティッシュを添えるものだ。投稿は4万回近くリツイートされている。
また、眼鏡の販売などを行う「OWNDAYS」(沖縄)は、ホームページで眼鏡がマスクで曇らないようにするための工夫として、市販の曇り止めをレンズに塗ることを勧めている。曇り止めがない場合でも食器用洗剤などの中性洗剤を塗っても曇り防止に効果があるという。