「中国当局が新型コロナウイルスに効果があると発表した漢方薬」などと医薬品のように偽って販売したとして、警視庁生活環境課は26日、東京都中野区の漢方薬局「馬場香嶺(こうれい)堂薬局」店主の男性薬剤師(68)と、法人としての同店を医薬品医療機器法違反(承認前医薬品の広告など)の疑いで書類送検した。健康被害は確認されていない。
送検容疑は2020年2~9月ごろ、厚生労働相の承認のない漢方薬2種類について、「中国国家中医薬管理局が新型コロナウイルス対策として効果があると発表した」などと宣伝し、神奈川県の男性ら3人に約520袋を計約26万円で販売したなどとしている。薬剤師は「お金もうけだけではなく、人助けのためにやった」と容疑を認めている。
同課によると、中国で新型コロナに感染した場合に症状を和らげるとされている漢方薬「双黄連内服(そうおうれんないふく)」「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)」とうたって販売していた。しかし、こうした漢方薬は日本では承認されていない上、高価な生薬を全く入れなかったり、量を減らしたりしていた。カビが生えるような粗悪品も混じっていた。
同店は、1週間分の量を500円で売る「ワンコイン漢方」を扱う老舗としてテレビなどで取り上げられていた。コロナ関連以外でも未承認の漢方薬を取り扱っていたとみられ、20年3月には未承認薬を売らないよう保健所から指導を受けていたが販売を続けていた。同課は同年1月以降、約1万6700点の未承認漢方薬12種類を販売して約830万円を稼いだとみている。【柿崎誠】