衆院選前哨戦“圧勝地盤”北九州での惨敗に自民党は戦々恐々…麻生政権末期とそっくり

この惨敗は、菅政権に大打撃だ。

1月31日に投開票された福岡県の北九州市議選(定数57)で、自民党が選挙前の22議席から6議席も減らした。緊急事態宣言下の選挙ということもあり、候補者を現職に絞って万全の態勢で臨んだが、党県連副会長の重鎮ら6人が落選した。

立憲民主党は公認候補7人が当選し、合流新党結成後の“初陣”で善戦。共産党も8人当選で議席数を維持した。日本維新の会は3人が当選し、前回選で失った議席を奪還した。

全国20の政令市で最も高齢化が進む北九州市は、人口構成の面でも、各政党がそれなりに基盤を築いている点からも、全国の選挙結果を先取りするとされ、衆院選や都議選の前哨戦と位置づけられてきた。

2009年の麻生政権下での北九州市議選でも、自民は現職3人が落選。新人を含め9人を擁立した民主党(当時)は全員が当選を果たした。その後の都議選で民主党が都議会第1党に躍進、総選挙で政権交代する流れがつくられていった経緯がある。

「福岡県には現内閣の麻生財務相と武田総務相という有力閣僚がいて、北九州市議選は本来なら自民党が圧倒的に勝って当然です。6議席も落とすなんてあり得ないことで、政権与党内では次期衆院選への影響を懸念する声が高まっています」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

自身の力量を過信して政権発足直後の解散を見送った結果、支持率下落が止まらない菅政権は、09年の麻生政権末期に似てきたと言われる。コロナ対策の失敗だけでなく、銀座クラブ問題で辞任・離党ドミノなど与党議員の不祥事も相次いで国民から完全に見放されつつある。

■補完勢力「維新」に足元すくわれる皮肉

北九州市議選と同日に投開票された東京都の千代田区長選でも、自公推薦の元区議が、都民ファーストの会推薦の新人に敗れた。

「千代田区長選で注目を集めたのは、維新が推薦した候補が票を伸ばして自公推薦候補に迫ったことです。北九州でも維新が3議席を獲得した。野党票を食い合う維新は自民の補完勢力とみられてきましたが、自民党への批判票が維新に流れているのです。同じことが次期衆院選でも起きかねません」(鈴木哲夫氏)

維新とのパイプを最大限に利用してきたのが、他ならぬ菅首相だ。政権維持のために育ててきた補完勢力に足をすくわれる皮肉。弱り目にたたり目になってきた。