菅義偉首相が国民にお願い「もう一踏ん張りしていただいて…」

菅義偉首相(72)は2日、首相官邸で新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、10都府県について3月7日まで延長すると表明した。対象となっていた栃木県は7日で解除する。医療提供体制が依然、逼迫(ひっぱく)していることから、専門家の意見を踏まえ、判断した。
「国民の皆様にはもう一踏ん張りしていただいて、何としても感染の減少傾向を確かなものにしないといけない。安心できる暮らしを取り戻したい」。菅首相はこの日、初めてプロンプター(原稿映写機)を使い、身ぶり手ぶりを交え、緊急事態宣言再延長への理解を求めた。
「発信力が課題」と指摘されてきた菅首相は冒頭から言葉に力を込めた。左手を徐々に下げるジェスチャーをしながら、飲食店の営業時間の短縮などを念頭に、「国民の協力で効果は確実に表れている」と強調。「制約の多い生活でご苦労を掛けるが、ご協力をお願いいたします」と頭を下げた。先月の再発令時「1か月後に必ず事態を改善させる」と発言した経緯を踏まえ、宣言延長を謝罪。「全て私が責任を負う」とも語った。
宣言が延長されるのは埼玉、千葉、東京、神奈川の首都圏4都県、岐阜、愛知の東海2県、京都、大阪、兵庫の関西3府県、福岡の計10都府県。宣言解除の目安については、感染状況がステージ3(感染急増)になることが前提との認識を示した。その上で専門家と相談する。対象地域の飲食店に営業時間短縮を要請し、応じれば1日最大6万円の協力金が支払われる。観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止は継続する。
難局は今後も続く。世論調査ではコロナ対策への不満が多く、支持率が続落。宣言下の深夜に、与党幹部が東京・銀座のクラブを訪れ、虚偽の説明をしたことで厳しい批判を浴びた。野党支持率は低空飛行が続くが、与党内での危機感は強まっている。
「頼みの綱」はワクチン接種。先月下旬、首相と面会した与党関係者は「首相は口を開けば、ワクチン接種の話ばかりだった」と明かす。解除への糸口が見えない首相の苦境が透ける。政府関係者によると、この日の諮問委員会では、ステージ3ではなく、ランクが一つ下のステージ2(漸増)で解除した方がいいという意見もあったという。立民幹部は「仮に再延長になれば、首相の責任問題に発展する」と予告した。