非行少年の立ち直り支援に60年以上寄付を続ける男性の褒章や勲章の受章などの回数が103回を数え、ギネス世界記録に認定された。佐賀市の更生保護施設の運営法人理事長、古賀常次郎さん(81)。少年時代に非行に走った際、温情に救われた経験から寄付を始め、総額約8億5000万円に上る。
古賀さんは1月26日、佐賀保護観察所を訪れ、集まった佐賀県内の更生保護関係者に「支えてくださった皆さんのおかげです」とギネス認定を報告した。これまでに受けたのは、紺綬褒章98回をはじめ、藍綬褒章、旭日双光章など。1月12日付の認定証が届いた。
その人柄や長年の取り組みをよく知る保護観察所の原尾
巧子
( よしこ ) 所長は「自らは質素な生活に徹し、子どもたちのために寄付を続けることは、誰にもまねできることではない。ギネス認定はその一徹な性格で努力してきた証しだと思う」と話した。
古賀さんは18歳の頃、別の少年とのいざこざで殴り合いになった。傷害容疑で逮捕されたが、家裁調査官らは「きっとこの子は更生する」と、少年院送致ではなく、保護観察処分にした。
「自分を信じてくれた大人たちを裏切るまい」。心を入れ替えて町工場で働いていた19歳の頃、ボランティアを行う青少年活動団体などに100円ほどの寄付を始めた。29歳のときにビル管理会社を設立し、額を増やしていった。寄付した先は、母校の佐賀市立
巨勢
( こせ ) 小学校など約50団体に上る。
巨勢小の図書館には、寄付金をもとに2300冊以上そろえた「古賀文庫」がある。寄付を受けた児童福祉施設からは「子どもたちが過ごしやすい環境を整えることができました」と感謝の手紙が届いた。
「失敗しても人は努力をすれば変われる、と伝えたい」と古賀さん。「忍耐と努力を続け、恥じない生き方を貫きたい」と語った。