ついに警視庁が「実力行使」に出た。時間外営業を隠すためドアにカギをかけ、警察の立ち入り調査を妨害したとして、警視庁保安課は1日、東京・新宿区歌舞伎町のキャバクラ店「花音」の店長、渡部圭介(36)、従業員の新井義弘(30)両容疑者ら男6人を風営法違反の疑いで現行犯逮捕した。
1日午前1時30分ごろ、営業時間を守っているかどうか確認するため、警察官が店を訪れた。店のドアは施錠され、従業員が警察の立ち入りを拒否したため、同行していた警視庁の機動隊員34人が斧などを使ってドアを破壊。ようやく観念したのか、新井容疑者らはカギを開け、店内から出てきた。
「花音」は2019年12月のオープン以来、風営法で定められた午前1時までの営業時間を守らず、連日、午後9時から午前5時まで営業していた。
「新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が出ても営業自粛要請を無視し続け、通常営業していた。一向に改善の余地が見られなかったことから、新宿署は昨年5月と11月の2回、行政処分を行ったが、店側は応じる気配を見せなかった。今年1月中旬、店内から話し声が聞こえたため、事情を聴こうとしたところ、カギをかけられ、捜査に応じなかったことから、今回はドアを破壊できるよう斧やエンジンカッターを用意し、機動隊員を同行させたのです」(捜査事情通)
昨年まで警視庁に寄せられていた、この店に関する通報は「料金についてのトラブル」がメインだったが、今年に入ってからは「時間外営業に関する苦情」に変わったという。
■深夜1時以降に売り上げの半分稼ぐ
店はオープンして13カ月間で約2億9000万円を売り上げ、うち半分以上の1億5000万円を、午前1時から5時までの4時間で荒稼ぎしていた。
「1日約90万円、月約2250万円を売り上げていました。捜査員が踏み込んだ月曜の深夜1時30分でも、店には客が13人いました。時短営業の影響で歌舞伎町全体が閑散とする中、この店は朝まで営業を続け、ガッポリ稼いでいた。緊急事態宣言が再発令され、時間外営業への立ち入り調査を強化する中、警視庁としては堂々と営業を続けられたらメンツ丸つぶれです。何としてでも摘発するしかなかった」(前出の捜査事情通)
警視庁が機動隊を導入し、道具を使って店のドアをこじ開けたのは19年2月、東京・立川市のキャバクラに強制捜査に乗り出して以来のこと。その時も異例の措置だった。
国会議員4人が緊急事態宣言下にもかかわらず、銀座で飲み歩き、世間から批判を浴びる中、警視庁としても「やる気」を見せる必要があったのだろう。