窓ガラスに「ありがとう」 向かいの小学校と病院交流 岩手・陸前高田

コロナ禍が続く中、岩手県陸前高田市の小学校と病院が、窓ガラスに掲示したメッセージを通じて交流を深めている。小学校の児童が、向かいに建つ病院から見える校舎の窓ガラスに、医療従事者への感謝の気持ちを書いたメッセージを掲示。病院側もこれに応え、院内の窓ガラスにメッセージを張り出した。【三瓶杜萌】
1月29日、同市立高田小学校の6年生が、模造紙に手書きで作った「医療従事者のみなさんありがとう。共に頑張っていきましょう」というメッセージを、校舎2階の窓ガラスに張った。コロナ禍で例年の学校行事が縮小や中止となり、地域との関わりが持ちづらい中、「卒業前に地域へできることをしたい」と企画した。31人の児童が1人1文字ずつ担当し、疫病退散の言い伝えがある妖怪「アマビエ」のイラストも添えた。
子どもたちからのサプライズに、病院の職員には驚きと感動が広がった。県立高田病院の田畑潔院長は「気の抜けない状況で働いている職員にとって、大きな力になる。本当にありがたい」と話す。田畑院長は今月1日に小学校を訪問し、6年生に「今は大変ですが、必ず感染流行は終息します。共に頑張りましょう」と書いた手紙を渡した。そして、感謝の気持ちを返したいという職員の思いをくみ、同2日、病院2階の窓ガラスに「ありがとう!」のメッセージを張った。
金野美恵子校長によると、病院からの返事を見つけた児童たちは、跳び上がって喜んでいたという。6年の熊谷美月さんは「自分たちの気持ちが伝わったと分かって、思わず大声で叫んでしまった。忙しいのに返事をくれて、とてもうれしい」と笑顔を見せた。
同小は東日本大震災の津波で全壊し、2019年に高台へ移転。同じく被災して18年に再建した高田病院と、道路を挟んで向かい側にある。田畑院長は「この10年、病院ではコミュニティーの再生も担ってきた。新しい地域の絆を確かめられた出来事だった」と語る。金野校長は「復興が進む地域の中で、自分も誰かの力になれるという姿を示してくれた」と、子どもたちをたたえた。