13日午後11時7分ごろ、福島県や宮城県で震度6強を観測する地震があった。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・3と推定される。総務省消防庁のまとめでは、9県で152人が負傷した。地震は2011年3月に起きた東日本大震災の余震とみられ、気象庁は同程度の地震に1週間程度は注意が必要だとしている。
気象庁によると、震源は福島県沖で、震源の深さは約55キロ。震度6強を観測したのは福島県国見町(くにみまち)、相馬市、新地町(しんちまち)と、宮城県蔵王町(ざおうまち)。さらに北海道から中国地方の広い範囲で震度6弱~1を観測した。この地震による津波は発生しなかった。東北の太平洋沖を震源とする最大震度6強の地震は11年4月7日以来で約10年ぶり。
総務省消防庁によると負傷者は、福島県78人▽宮城県57人▽栃木県7人▽茨城県3人▽埼玉県、千葉県各2人▽山形県、群馬県、神奈川県各1人。うち重傷は11人で、死者や行方不明者は確認されていない。けが人には地震でベッドから転落して足を骨折したり、割れたガラスで足を切ったりしたケースがあった。建物火災は宮城、福島両県で3件。住宅被害は福島、宮城、山形の3県で86棟の一部損壊が確認された。
土砂崩れも相次いだ。常磐自動車道の相馬インターチェンジ(IC)―新地ICではのり面が崩落し、長さ70メートルにわたって道路を塞いだ。復旧作業が行われているが、同区間で通行止めが続いている。また、福島県二本松市のサーキット場「エビスサーキット」でも大規模な土砂崩れが起き、コースに土砂が流れ込んだ。
内閣府によると、宮城、福島両県では一時、避難所に258人が身を寄せた。各避難所では避難者同士のスペースを確保するなど、新型コロナウイルスの感染防止にも留意した。
地震の影響で、東北新幹線は那須塩原駅(栃木県那須塩原市)―盛岡駅(盛岡市)の上下線で運転を見合わせており、全面復旧には10日程度かかる見通し。停電も発生し、東北、関東両地方を中心に12県で計約95万戸が一時電気がストップした。14日午前までにすべて復旧している。
福島、宮城両県では地震による断水が起きており、福島県の内堀雅雄知事は14日、給水支援について自衛隊に災害派遣を要請した。自衛隊が14日午後から、新地町で給水支援を実施した。【黒川晋史、山本佳孝】