男性が一緒に飲んでいる女性に睡眠薬入りの酒を差し出した。そのことに気付かず、女性が口にする。その直後、捜査員が現場に踏み込んだ――。 大阪市の居酒屋で2020年9月、店主を含む男性3人が、30代女性に睡眠薬入りの酒を飲ませて、性的暴行しようとしたとして、準強制性交等未遂の疑いで逮捕された。 この事件をめぐっては、都内に住む民間人の男性、日下鉄也さん(34)が、警察に情報提供するなど、被害を食い止める一役を買った。 ツイッターで「性犯罪を絶対に許さない会」というアカウントを立ち上げた人だ。(ライター・渋井哲也) ●ネットパトロールが端緒になっている 日下さんは10年ほど前、女性への性暴力を阻止する活動をはじめて、2020年夏から本格的にチームをつくって取り組んでいる。 基本的には、ネットパトロールをしている協力者などからの情報提供が端緒で、大阪の事件もそうだった。 この事件では、逮捕された3人のうち、20代男性がネット掲示板で暴行を呼びかけて、「昏睡(こんすい)」という名のLINEグループで参加希望者と連絡を取り合っていた。 日下さんの協力者は、参加希望者を装って、犯行場所や日時をつかんだ。日下さんは、現場で警察と一緒に動いて、被害を防ぐことに貢献した。 ●ツイッターにはブラックな面がある 日下さんはツイッターを駆使して情報収集している。神奈川県座間市内のアパートで男女9人の遺体が発見された「座間事件」がきかっけだ。 この事件では、ツイッターで「死にたい」とつぶやいていた女性を、白石隆浩死刑囚がダイレクトメッセージやLINEで連絡をとり、誘い出して殺害した。 「ツイッターにはブラックな面があります。座間事件以外でも、ツイッターで知り合って殺害される事件があります。そのことが事前にわかっていれば止められるのに」 これまでに多くの案件を扱ってきたが、「いちいち数えていないので、どのくらいかは覚えていません。日常の当たり前のルーティンなんです」という。 女性への性暴力を止めようとする思いはどこからきているのだろうか。 「正義感? そうですね。セキュリティの仕事をしているので、何かあったら瞬時に動くことが身についているからかもしれません。 あとは、20代のころに知人が巻き込まれた”事件”が大きいです。許せないものでした。その時の記憶があるからですね」 ●知人女性が搾取を受けていた その”事件”は、10年以上前にさかのぼる。知人の女性が、男性から金銭的にも肉体的にも搾取されていたのだ。「身も心もボロボロになっていました」。日下さんは男性と話し合いを持った。
男性が一緒に飲んでいる女性に睡眠薬入りの酒を差し出した。そのことに気付かず、女性が口にする。その直後、捜査員が現場に踏み込んだ――。
大阪市の居酒屋で2020年9月、店主を含む男性3人が、30代女性に睡眠薬入りの酒を飲ませて、性的暴行しようとしたとして、準強制性交等未遂の疑いで逮捕された。
この事件をめぐっては、都内に住む民間人の男性、日下鉄也さん(34)が、警察に情報提供するなど、被害を食い止める一役を買った。
ツイッターで「性犯罪を絶対に許さない会」というアカウントを立ち上げた人だ。(ライター・渋井哲也)
日下さんは10年ほど前、女性への性暴力を阻止する活動をはじめて、2020年夏から本格的にチームをつくって取り組んでいる。
基本的には、ネットパトロールをしている協力者などからの情報提供が端緒で、大阪の事件もそうだった。
この事件では、逮捕された3人のうち、20代男性がネット掲示板で暴行を呼びかけて、「昏睡(こんすい)」という名のLINEグループで参加希望者と連絡を取り合っていた。
日下さんの協力者は、参加希望者を装って、犯行場所や日時をつかんだ。日下さんは、現場で警察と一緒に動いて、被害を防ぐことに貢献した。
日下さんはツイッターを駆使して情報収集している。神奈川県座間市内のアパートで男女9人の遺体が発見された「座間事件」がきかっけだ。
この事件では、ツイッターで「死にたい」とつぶやいていた女性を、白石隆浩死刑囚がダイレクトメッセージやLINEで連絡をとり、誘い出して殺害した。
「ツイッターにはブラックな面があります。座間事件以外でも、ツイッターで知り合って殺害される事件があります。そのことが事前にわかっていれば止められるのに」
これまでに多くの案件を扱ってきたが、「いちいち数えていないので、どのくらいかは覚えていません。日常の当たり前のルーティンなんです」という。
女性への性暴力を止めようとする思いはどこからきているのだろうか。
「正義感? そうですね。セキュリティの仕事をしているので、何かあったら瞬時に動くことが身についているからかもしれません。
あとは、20代のころに知人が巻き込まれた”事件”が大きいです。許せないものでした。その時の記憶があるからですね」
その”事件”は、10年以上前にさかのぼる。知人の女性が、男性から金銭的にも肉体的にも搾取されていたのだ。「身も心もボロボロになっていました」。日下さんは男性と話し合いを持った。