建設アスベスト大阪訴訟の最高裁決定を受け、原告らが24日、大阪市内で記者会見した。内装工として32年間働いてきた郡家(ぐんけ)滝雄さん(71)=大阪市旭区=は「石綿が危険だと知らされず病気になった。早く謝罪と補償をしてほしい」と求めた。
郡家さんは1971年から、学校や病院などの内装工事に携わった。石綿を含む建材は壁などに使われ、国は当時、「耐火性に優れる」と推奨していた。建材を切断した際などに石綿を吸ったとみられ、2003年にせきやたんが出始めた。重い物を持つと息苦しくなって一線から退き、07年、石綿関連疾患の一つである「びまん性胸膜肥厚」で労災認定された。
提訴から10年近くがたち、症状は徐々に悪化し、酸素吸入器が手放せなくなった。大阪訴訟では提訴後に原告6人が死亡しており、郡家さんは「裁判の期間がもっと短かったら、亡くなった原告も解決の喜びを味わえたはずだ」と悔やんだ。
2審・大阪高裁判決は国の賠償範囲について他の高裁よりも広く認め、最高裁で確定した。弁護団長の村松昭夫弁護士は「国を断罪する高裁判決を認めた最高裁の決定を評価したい。国や企業が真摯(しんし)に受け止め、救済に向き合うかが問われる」と強調した。【藤河匠】