選択的夫婦別姓問題 橋本氏後任の丸川珠代議員は「筋金入りの反対派」【ラサール石井 東憤西笑】

【ラサール石井 東憤西笑】

五輪組織委員会の会長に橋本聖子氏が就任し、そのために辞任した五輪担当相の後任には、丸川珠代氏が選ばれた。橋本氏は自民党も離党し並々ならぬ決意でオリンピックに向き合うこととなり、政府にとっても自民党にとっても万事順当な決着となった。

しかし橋本氏がもうひとつの大臣を兼任していたことはあまりニュースになっていない。実は彼女は、男女共同参画を推進する大臣でもあった。昨年には5年に1度の提言をまとめ、その中に選択的夫婦別姓の導入に向けての道筋を盛り込むよう進めていた。

夫婦別姓の問題は野党もこれを提言し、自民党内でも賛成の声が上がり始めていた。

しかし、自民党内には根強い反対勢力もあり、野党VS自民党ではなく、自民党VS自民党のせめぎ合いが繰り広げられていたのだ。結局、山谷えり子、高市早苗、片山さつきら各議員の圧力により、「選択的夫婦別姓の導入に必要な対応を進める」という文言は「選択的夫婦別姓」という言葉ごと削除された。

あくまで「選択的」。どちらにするかを決められる自由があるという、ただ希望者だけが幸せになる、他には何も影響しない制度であるにもかかわらずである。世界でも同一の姓を強制しているのは日本しかないという状況の中で、この問題は大きく後退したのである。

そして今回後任の丸川珠代氏も、ご多分に漏れず筋金入りの反対派である。

「夫婦別姓」に反対する側の理由は、名字が一つであることが家族の絆であるという、古来の家父長制を重んじており、それこそ突き詰めれば女性蔑視に行き着くことになる。

ジェンダー発言から辞任した前任者のゴタゴタを払拭し、オリンピック憲章にのっとった男女平等の大会を推進するのに、果たして丸川氏はふさわしいのであろうか。オリンピックの陰に隠れ、男女共同参画はさらに後ろ向きになるのではないか。

橋本氏の人事がそれも踏まえての異動だとは思わないが、反対派の人間からは降って湧いたような好人事であったろう。

しかも、丸川氏の異動した穴を埋める人事が、有村治子議員であり、彼女も同じく夫婦別姓反対派で、「子供はつくるつくらないではない、天から神から授かったものだ」と言うゴリゴリの極右議員である。

果たしてこの人事の責任者は誰か。オリンピックの裏で何やらキナ臭いにおいがする。

(ラサール石井/タレント)