栃木県足利市の
両崖山
( りょうがいさん ) (251メートル)の山火事は、発生から7日目を迎えた27日も懸命の消火活動が続く。26日時点で、住民への避難勧告は計305世帯に拡大し、山林の焼失面積も約106ヘクタールに達した。群馬県の赤城山から冬場に吹き付ける強風「赤城おろし」、乾燥した空気、人の手が入らず大量に
堆積
( たいせき ) した落ち葉。重なった悪条件が火災を長期化させている。
「今朝も風が強い。消しても消しても追いつかない。落ち葉が多く、風向きも定まらないので、あちこちで火が上がる」。27日朝、同市中央消防署の大出芳夫主幹(56)が山に立ち上る煙を見ながら話した。
火災の発生は21日午後3時半頃。両崖山から白煙が上がっているのを登山客が見つけた。駆けつけた消防隊員は、山頂付近の休憩所のベンチ周辺が燃えているのを確認している。両崖山は冬場に富士山を望める人気のハイキングコース。好天だった21日は人が多く、市はハイカーの火の不始末が原因だった可能性もあるとみている。
県内には16日から乾燥注意報が継続して出されており、火の勢いは弱まらなかった。県の発表によると、発生翌日の22日時点で焼失面積は約10ヘクタールに及んでいたが、23日は強風でヘリによる消火活動が一時中断を余儀なくされた。24日には、延焼が約77ヘクタールにまで広がった。
大量の落ち葉も火災を拡大させた。1メートル以上積もっているところもあり、放水しても水がしみ込みにくい。残った火種が風で巻き上げられ、別の場所への飛び火が繰り返されているという。
両崖山に雑木林や杉林を所有する男性(74)は、「昔は木材がシイタケ栽培の原木や燃料として売れ、人が山に毎日入って落ち葉かきをしていた。今はしない人が多く、荒れた場所が多い」と話す。
森林総合研究所(茨城県)で山林防災を研究する玉井幸治氏は「この時期は落ち葉が乾き、一層燃えやすくなる。火が収まっても、下の落ち葉がくすぶって煙が再び出ることも多く、完全に鎮火するまでは油断できない」と指摘している。