駅前で夜騒ぐ少年たち…マスクで顔覚えにくく、補導対応に苦慮

駅前に集まり、大声で騒いだり、ゴミを散乱させたり――。高知県内では、少年非行の入り口とも言える深夜

徘徊
( はいかい ) や飲酒などで補導された人数は減少した。新型コロナウイルスによる外出自粛などの影響とみられるが、逆にJR高知駅前など、これまで以上に集まるようになった場所もある。一方、補導員らも感染対策で制約を受けており、効果的な活動方法を模索している。(北島美穂)
2月下旬の午後10時前、JR高知駅前の広場に、10人くらいの少年が集まっていた。周りには食べかすなどが散らかる。「駅前は集まりやすい」。1人の少年はそう話した。
昨年末には、駅前の店の軒先でライターオイルをまいて火を付ける騒ぎもあった。食べかすのほか、たばこの吸い殻が散らばり、広場内でバイクを乗り回すなど、トラブルが相次ぐという。店の関係者は、「去年の夏頃まではここまでひどくなかった。警察に注意されても同じことの繰り返し。客も店に入りにくくなるので困っている」と話す。
県警少年女性安全対策課によると、県内で昨年、深夜徘徊などで補導されたのは1374人(暫定値)で、前年の1689人より約2割減った。だが、高知市少年補導センターによると、昨春から市内の大きな公園や駅前などに少年が集まるようになったという。同センターの担当者は、「コロナ禍で子どもたちもSNSをする時間が増え、交友関係が『友達の友達』に広がり、誰でもわかる場所に集まるようになったのでは」とみる。

一方、高知市内で活動するボランティアの地区補導委員や、同センターの補導員らも、感染予防のため巡回を例年の7、8割に減らしたり、広い範囲を巡回できなかったりした時期があったという。
マスクに苦労したと話すのは約25年、地区補導委員を務めている高知市、木製品加工場経営の男性(72)。例年なら顔を覚えて関係を作り、うまく学校や保護者につなげることもできるが、「子どもがマスクをしているため顔を覚えられない」という。
こうした状況を改善しようと1月以降、夜の巡回の回数を例年の2、3倍に増やした地域もある。子どもから「また来ちゅうね」と声をかけられるようになったという。見学できなかった運動会や文化発表会での生徒の活動を学校から聞き出して、子どもたちとの話題にするなどの努力もしているという。
地区補導委員らは、1月下旬に同センターが市内で開いた勉強会に出席し、少年非行の現状を確認。夜間補導に取り組む高知市の看護師(54)は、「夜のまちで子どもを見かけることは減った。でも、だから見回らなくてもいいわけではない。新型コロナでつながりが薄れつつある今だからこそ、見守りを重視しないといけない」と話した。