菅義偉首相は3日、埼玉、千葉、東京、神奈川の首都圏4都県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言について、7日までの期限を2週間程度延長すると表明した。ただ、再延長でどこまで感染者が減るかは不透明で、感染力の高い変異株による「第4波」の予測も出るなど、早くも4月までの「再々延長」が現実味を帯びている。
菅首相も1日の予算委員会で、「ほとんどの指標で(解除基準を)クリアしている」と解除に前向きだったが、3日には一転して、病床の逼迫(ひっぱく)を強調、「国民の命と暮らしを守るために必要だ」と説明した。
政府には、小池百合子都知事らが再延長要請へ向けて動きを見せたことで、知事側の要請より先に決断しなければ、世論から後手批判を浴びるとの不安もあった。延長期間を「2週間程度」としたのも政治的な妥協の産物で、明確な理由は示されていない。
次の期限となる3月下旬以降は感染対策が難しい時期に差しかかる。卒業シーズンや企業の転勤などで人の往来の増加は避けられず、宣言解除のタイミングを見いだせないまま「再々延長」に追い込まれる可能性も否定できない。
懸念材料に挙がるのは、変異株の動向だ。国内での変異株の確認は、今月3日時点で空港検疫を除き174件。うち昨年12月の3件、1月の21件に対し、2月は134件まで急増している。
厚生労働省に助言する専門家組織の脇田隆字座長も3日、変異株につき、「現状より急速に拡大するリスクが高い」と警告した。
「第4波」懸念もある中、早期解除による再拡大を予測、1カ月程度の延長を妥当とする見解も出ている。
東京大の仲田泰祐准教授らが今月2日、公表した最新の分析では、東京で3月第1週に1日平均感染者数が250人を切った状態で解除に踏み切り、飲食店への時短要請などを取りやめた場合、東京五輪開幕直前の7月第1週に新規感染者が1000人を超えると予測した。さらに解除後に会食や行事などで「気の緩み」が生じた場合、4月後半の時点で1000人を超え、場合によっては緊急事態宣言の再発令に至るとしている。
一方、4月第1週に100人程度まで減らした状態で解除すると、7月の多い時でも、200人台に抑えられるとした。
切り札の緊急事態宣言を中途半端に長引かせたことが裏目に出る恐れもある。