悪質通販を見分ける自衛策 「初回無料」「お試し価格」の文言に要注意! 罰則強化へ法改正議論も

健康食品や化粧品の「初回無料」「お試し価格」というネット広告につられて申し込んだところ、高額な定期購入を契約してしまうトラブルが急増している。消費者庁は刑事罰も含めた罰則強化に乗り出すが、現状では自衛策が重要だ。
消費者庁によると、昨年、全国の消費生活センターに寄せられた「定期購入」に関する相談件数は約5万6300件で、2018年の相談件数から2倍以上、15年からは約14倍に増加した。
「お試し価格」の1回だけ低価格で購入したつもりが、2回目以降は通常価格の商品が毎月届き、解約するのも難しいというケースが典型的だ。特に相談件数が多い商品は、健康食品や化粧品だという。
弁護士の高橋裕樹氏は「定期購入をめぐるトラブルのほとんどはネット広告が最初の接点となるようだ。現行法にのっとれば、多くは消費者側が規約文を読み飛ばしたり、不十分な理解のまま契約を完了させてしまったため発生したトラブルだと言わざるを得ず、一方的に契約を打ち切るのは困難だ」と指摘する。
通信販売にはクーリング・オフ制度がないことにも注意が必要だ。消費者側は、返品が可能か、返品可能な期間はいつまでか、送料は消費者負担かなどを事前に把握しておく必要がある。
販売先と交渉するのも手間がかかる。高橋氏は「契約料金も月数千円または数万円のパック料金のことが多い。弁護士を立てて交渉に臨めば10万円以上の費用がかかり、割に合わないという現状もある」と指摘する。
2016年に改正された特定商取引法では、詐欺的な定期購入契約を行う販売業者に対して業務停止など行政処分に踏み切ることができるが、さらなる罰則強化に向けた動きもある。
消費者庁の担当者は「昨年の検討委員会では、『顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為』のガイドラインをより分かりやすくする議論や、刑事罰も視野に入れた罰則を強化する法改正についても議論を行った」と語る。
前出の高橋氏はこうも提言する。
「罰則の強化にあたり、『お試し期間のみの契約はできない』などの文言は、目立ちやすい表示にするなど具体的なルールが盛り込まれるはずだ。現状は契約内容をしっかり読むこと、『初回無料』『お試し価格』という文言はむしろ警戒する材料として認識する必要があるだろう」
甘い言葉こそ用心が必要だ。