専門家、感染者数減少は「限界」 緩めば7月に東京1200人超えも

東京、神奈川、千葉、埼玉の1都4県への緊急事態宣言の2週間の延長で、どんな効果が期待できるのか。「飲食店の時短要請という『急所』を狙った対策では、このレベルが限界。延長しても対策が同じなら新型コロナウイルスの感染者数は下がらない」。日本感染症学会の舘田一博理事長はこう指摘する。
東京都の直近7日間平均の新規感染者は5日時点で273・6人。2月中旬ごろから減少ペースが鈍化し、多くの専門家が求める100人にはほど遠い。昼間の酒類提供の制限など新たな対策強化も考えられるが、舘田氏は「劇的な変化は望めない」とみる。
「残された対策は、スポーツを含めたイベントの一時中止ぐらいではないか」と話すのは、東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)。感染減少には増加傾向にある人出を抑える必要があるからだ。
1カ月の延長を主張する声もあるが、最終的に解除すれば、感染増加に転じるのは避けられないというのが専門家の共通認識だ。
東大大学院の仲田泰祐(たいすけ)准教授や藤井大輔特任講師らは、3月第3週に東京都の新規感染者が150人を下回った状況で解除した場合でも、経済活動の再開により、東京五輪が開幕する7月には再び500人を超えると試算。解除後に気が緩み、歓送迎会や花見の宴会などで急激に感染が再拡大すると、7月には1200人を上回り、再び宣言の必要性が出てくるという。
舘田氏は再拡大の兆候をつかむため、繁華街や高齢者施設で無症状者への検査の徹底を求める。その上で、感染者が一定の基準に達した段階で、地域ごとに規制をかける仕組みの導入を唱える。「短期の対策を繰り返し、より低いレベルで感染者を維持する。絶対に第4波を起こさないようにすることが大事だ」。舘田氏はこう強調する。
(伊藤真呂武、三宅陽子)