神奈川と東京、埼玉、千葉の1都3県が対象の緊急事態宣言は、7日の期限を21日まで2週間延長することが決まった。神奈川県内の感染状況は政府が解除の目安とする基準をクリアしているが、首都圏を一体と見なして足並みをそろえた形になった。県は5日夜、県庁で対策本部会議を開き、午後8時までとしている飲食店の時短営業や、県民への外出自粛要請の継続を決定。時短営業は、期限後の22日以降も午後9時までとすることにした。【木下翔太郎、樋口淳也】
感染状況や医療体制を示す県内の指標は、いずれも政府が緊急事態宣言の解除の目安とする「ステージ3(感染急増)」に該当するか、下回っている。それでも宣言が延長されたのは、1都3県を一体に捉えて判断してきたこれまでの経緯があるためだ。
県内の感染者は2020年11月ごろから増加が加速した。緊急事態宣言が1月7日に再発令されると、1日当たりの感染者数が過去最多の995人を記録した同9日以降は減少傾向に転じ、2月15日に70日ぶりに100人を下回り、3月1日には52人まで減った。
この結果、県によると4日時点で六つある指標のうち病床逼迫(ひっぱく)度、前週と比較した新規感染者数の二つが「ステージ3」、そのほかの4指標は「ステージ2(感染漸増段階)」に改善。黒岩祐治知事も「(大阪府など)先行で解除されているエリアと比べても遜色はない。神奈川だけで考えてみれば解除といわれてもいいような状況だ」と繰り返し述べている。
実際、3日に非公開で行われた1都3県の知事会議では、黒岩氏が「再延長して感染者が増加した場合、次のカードがなくなる。宣言を今すぐ解除するのも一つの手だ」と提案したという。菅義偉首相が2週間程度再延長する意向を示したのは直後のことだ。黒岩氏は同日夜の取材に、「神奈川県は解除の条件(を満たすところ)に来ていると思うが、1都3県で足並みをそろえる中で県民に延長をお願いせざるを得ない。延長を阻止できず、県民に本当に申し訳ない」と陳謝した。
1都3県の知事はこれまでも1月に行った緊急事態宣言再発令の要請などで足並みをそろえている。20年春に発令された緊急事態宣言の解除を巡っては、基準を満たさなかった東京と神奈川に千葉、埼玉が合わせる形で解除が遅れた経緯もある。県幹部は「これまで『生活圏が一体なので1都3県で判断してほしい』と国にお願いしてきた。基準を満たしているからと言って『神奈川だけで解除』は違うということになったのだろう」と解説した。
22日以降も時短継続
県は5日夜の対策本部会議で、宣言延長後の時短営業要請の継続や「協力金」の支給要件の追加を決めた。21日まで延長された宣言の期間中、県は飲食店など約5万3000店舗に対し、午前5時~午後8時(酒類の提供は午前11時~午後7時)の営業とするよう引き続き要請する。
協力金については、1日当たり一律6万円を維持する。延長された14日分で最大約443億円が必要という。8日以降は支給要件に「マスク飲食の推奨」を加える。
県はこの日、宣言解除後は時短要請を段階的に緩和することも決定。21日に解除された場合、22~31日は営業終了時間を1時間遅らせて午後9時までとする方針だ。解除後の要請に応じた場合にも協力金を支給し、金額は1日当たり一律4万円とした。10日分で計約211億円を見込む。
減少傾向にあった県内の感染者は、ここに来て「下げ止まり」が見られる。対策本部会議の冒頭、黒岩氏はこうした状況に触れ、宣言の延長について「やむを得ない」と語った。
県によると、1週間の感染者の合計は1月10~16日に5777人と最多になってからは減少を続けている。ただ、3月3~5日は1日当たりの感染者が3日連続で前週の同じ曜日を上回った。2月28日~3月5日の6日間の合計は675人で、6日の結果次第で前週(2月21~27日)の783人を上回る可能性がある。
黒岩氏は「この2週間徹底して感染防止の取り組みをしっかりやっていく、原点に立ち戻っていただくということをご理解いただきたい」と呼びかけた。