原子力規制委員会は16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で昨年3月以降、侵入者を検知する複数のテロ対策設備が機能していなかったと発表した。組織的な管理機能が低下し、不正な侵入を許す状態になっていたとして、核物質防護に関わる4段階評価のうち最も深刻なレベルの「赤」と暫定評価した。
規制委の新検査制度は原子炉等規制法に基づき昨年4月から始まり、「赤」の評価は初めて。規制委は追加検査を行う方針で、記者会見した
更田豊志
( ふけたとよし ) 委員長は「検査には1年以上かかるだろう」と述べた。東電は同原発の再稼働を目指しているが、梶山経済産業相は「このままでは再稼働できる段階にない」と厳しい見方を示した。
規制委によると、設備の不備は2月下旬までに規制委が抜き打ちなどで検査した際に判明。東電は「代替措置をとった」と主張したが、規制委は「有効でない」と判断した。設備は現在、全て復旧している。
規制委は不備のあった設備の種類や数などについて「テロ対策上、公表できない」としている。東京電力によると、故障箇所は16か所あり、うち10か所は30日以上、機能喪失の状態と指摘を受けたという。
同原発を巡っては、原発所員が昨年9月、他人のIDカードを利用して不正に中央制御室に進入していた問題も発覚した。更田委員長は「今回は第三者が不法に入れる可能性のある箇所が複数、長期間あった点で深刻だ。インパクトが違う。(重大さは)ほかの事案とは比較不可能だ」と話した。
規制委は、東電から異議がなければ1週間以内に評価を確定する。その上で、半年以内に第三者機関による問題の検証も含めた再発防止策などを報告するよう東電に指示する。より厳しい追加検査を行い、行政処分も視野に入れる。
東京電力は「厳しい評価を重大に受け止めている」とコメントした。