静岡市清水区の県道にかかる「千歳橋」周辺で、道路を渡ろうとする歩行者と車が衝突する事故が相次ぎ、問題となっている。2015年以降、少なくとも10件の事故が起きており、歩行者が死亡したケースもあった。見通しの良い直線道路だが、街灯などが少ないため夜間は視界が悪く、安易な横断が事故につながるケースが多い。清水署や静岡市が対策を検討している。
清水署などによると、千歳橋周辺では今年1月30日未明と2月13日早朝に、横断者がタクシーにはねられる事故が相次いだ。1月の事故では高齢女性2人がはねられ、このうち1人が死亡した。2月も高齢男性が死亡している。
いずれの事故も周囲が暗い時間帯に発生していたうえ、歩行者は横断歩道のない場所を歩いていたという。
千歳橋は清水区役所から約350メートル西の地点にある。片側1車線の見通しの良い直線道路で、東に約40メートル進んだ地点に信号機の設置された交差点がある。清水署では橋と交差点の位置について、「信号が青になると、(間に合うように)橋の手前で加速する車が多いとみられる」と分析する。
また、交差点までの道は横断禁止区域に指定されているが、橋周辺の飲食店で飲食をした酔客が横断してしまうケースが少なくない。近所に住む40歳代の女性も「横断歩道まで行くと遠回りになる」と弁解する。
実際に、千歳橋付近で15年以降に発生した10件の事故のうち、8件は歩行者が横断歩道でないところを横断していたほか、6件は夜間に発生している。
清水署や静岡市、地元住民らは再発防止策について協議を続けており、地元住民からは「歩行者が横断できないように柵を設置してほしい」という意見も上がっているという。ただ、県道に右左折が出来なくなる箇所が出るといった課題もあり、清水署の担当者は「柵の設置には住民の理解が必要。まずは安易な横断をやめるよう、指導を強化していきたい」としている。