新種の「最強生物」?積雪中の生息を確認…雪が緑色になる国内有数の場所

千葉大理学部の竹内望教授(49)らの研究グループは、月山で新種の可能性が高いクマムシを発見した。雪の中で育つ藻類を食べており、竹内教授は「積雪中での生息が確認されたのは国内初」としている。
竹内教授らは2018、19年春、山形県西川町の月山・地蔵沼周辺ブナ樹林帯(標高750メートル)で積雪の表面を採取。ヤマクマムシ属2種を多数確認し、うち1種は体表に突起構造があるなどの特徴から、新種の可能性が極めて高いという。
採取地点は、繁殖した藻類で雪が緑色になる現象が見られる国内有数の場所。藻類が多い雪1リットルあたり、平均7100個体のクマムシが集中していた。体は葉緑素が透けて見え、藻類を食べていると確認。脱皮殻には卵が産み付けられ、雪の中で繁殖していることも分かった。
クマムシは体長1ミリ以下。代謝を止めた乾燥・休眠状態になることで、低温や放射線の影響などを受けた極限環境でも生存できる「最強生物」として知られる。竹内教授によると、世界で約1300種いるが、このうち雪氷環境で生息するのは海外に約20種。研究成果は、16日に英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。
竹内教授は今後、新種確認のためDNA解析を進める。「温暖化の影響で、積雪の減少が予測される。生態系が失われる前に実態を解明したい」と話した。