都内の中小企業を対象とした、最大200万円のコロナ対策の助成金事業でトラブルがあいついでいる。 助成金の対象になるという決定(交付決定)を受け、100万円以上する高額機器などを購入したのに、3月になって、助成金は出せないと「手のひら返し」を食らうケースがネットで次々に報告されているのだ。ツイッターには「被害者の会」なるアカウントも登場した。 助成金事業の主体は、東京都と東京都中小企業振興公社。「被害」にあった中小企業からは、「公の機関から『詐欺』のようなことをされるとは思わなかった」と怒りの声があがっている。(編集部・園田昌也) ●「100万円」の予定が、設備投資後「ゼロ円」に 就職活動の支援や海外研修などのサービスを提供する森山たつをさんは、2020年夏に募集された「非対面型サービス導入事業」の助成金を申請した。 200万円を上限として、オンライン配信やネットショップなど、非対面型サービスの導入費用のうち、3分の2を助成するというものだ。 森山さんの場合、コロナで対面での研修・講演が困難になったことから、配信機材などを買いそろえる必要があった。 見積もりの審査が通り、約110万円を交付するという決定が出たので、機材などに約160万円を投じたが、今年3月に「ゼロ円」の決定通知が届いた。50万円で済むと思っていたところ、160万円丸々を負担することになったわけだ。 「問い合わせても理由を答えてくれない。問題があるのなら、交付決定のところで却下すべきでしょう。 確かに決定通知書には、交付決定が出ても助成金を受け取れないことがあるとは書いてあった。でも、不正をしていなければ大丈夫だと思っていました。そのくらい信頼できないと、百万円単位の投資をさせちゃいけないでしょう」 ●審査待つ間の「機会ロス」も 森山さんが怒る理由は、ほかにもある。交付決定の審査が遅延したことだ。 「当初は8月から出るとアナウンスされていました。でも、うちに決定が届いたのは10月28日。それなのに11月中に設置などをしないと助成金が出ないという。 うちは何とかなりましたが、業者にお金を払って、緊急対応してもらった企業があるかもしれない。それでゼロ円だったら、たまったもんじゃないですよね」 「機材は元々買うつもりでした。その意味では金銭的な損失は大きくありませんが、時間のロスは大きい。どうせゼロ円なら、もっと早く発注して事業を進められた。中小企業の足を引っ張っているとしか思えません」
都内の中小企業を対象とした、最大200万円のコロナ対策の助成金事業でトラブルがあいついでいる。
助成金の対象になるという決定(交付決定)を受け、100万円以上する高額機器などを購入したのに、3月になって、助成金は出せないと「手のひら返し」を食らうケースがネットで次々に報告されているのだ。ツイッターには「被害者の会」なるアカウントも登場した。
助成金事業の主体は、東京都と東京都中小企業振興公社。「被害」にあった中小企業からは、「公の機関から『詐欺』のようなことをされるとは思わなかった」と怒りの声があがっている。(編集部・園田昌也)
就職活動の支援や海外研修などのサービスを提供する森山たつをさんは、2020年夏に募集された「非対面型サービス導入事業」の助成金を申請した。
200万円を上限として、オンライン配信やネットショップなど、非対面型サービスの導入費用のうち、3分の2を助成するというものだ。
森山さんの場合、コロナで対面での研修・講演が困難になったことから、配信機材などを買いそろえる必要があった。
見積もりの審査が通り、約110万円を交付するという決定が出たので、機材などに約160万円を投じたが、今年3月に「ゼロ円」の決定通知が届いた。50万円で済むと思っていたところ、160万円丸々を負担することになったわけだ。
「問い合わせても理由を答えてくれない。問題があるのなら、交付決定のところで却下すべきでしょう。
確かに決定通知書には、交付決定が出ても助成金を受け取れないことがあるとは書いてあった。でも、不正をしていなければ大丈夫だと思っていました。そのくらい信頼できないと、百万円単位の投資をさせちゃいけないでしょう」
森山さんが怒る理由は、ほかにもある。交付決定の審査が遅延したことだ。
「当初は8月から出るとアナウンスされていました。でも、うちに決定が届いたのは10月28日。それなのに11月中に設置などをしないと助成金が出ないという。
うちは何とかなりましたが、業者にお金を払って、緊急対応してもらった企業があるかもしれない。それでゼロ円だったら、たまったもんじゃないですよね」
「機材は元々買うつもりでした。その意味では金銭的な損失は大きくありませんが、時間のロスは大きい。どうせゼロ円なら、もっと早く発注して事業を進められた。中小企業の足を引っ張っているとしか思えません」