玉木雄一郎代表率いる国民民主党が独自色を発揮している。安全保障上重要な土地の利用を規制する「土地利用規制法案」に賛成する方向のうえ、「日米同盟見直し」や「原発ゼロ」が明記された政策協定を結び、4月の参院長野選挙区補選に立候補する立憲民主党の新人、羽田次郎氏に出した推薦を撤回する可能性に言及したのだ。日本を取り巻く安全保障環境が激変するなか、共産党や立憲民主党とは一線を画すようだ。
「もともと、外国資本による水源地の買収に懸念を持ち続けてきた。経済安全保障の観点から、外国資本の土地買収には一定の規制が必要だ」
玉木氏は25日の記者会見で、こう語った。
政府は26日、自衛隊や米軍施設、海上保安庁施設、原子力関係施設などの周辺の土地や国境離島が外国資本に押さえられ、日本の安全確保が脅かされる事態を防ぐため、土地利用規制法案を閣議決定した。玉木氏は今後、賛成する方向で党内をまとめる意向だ。
一方、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は「安全保障の美名の下、私権が制限されかねない」と、同法案への反対を自民党に伝えた。共産党も同調する方針だ。
国民民主党は4月25日投開票の参院長野補選でも、羽田氏が地元の共産党組織と結んだ、「日米同盟に頼る外交姿勢を是正する」などの政策協定を、「わが党の基本的な外交理念とは相いれない」(玉木氏)と問題視している。
沖縄県・尖閣諸島周辺に連日侵入する中国の軍事的覇権拡大や、北朝鮮の核・ミサイル開発を見れば、納得の判断といえる。31日に開く両院議員総会での出席者の意見を踏まえ、推薦を維持するかどうか決めるという。
国民民主党は昨年9月、立憲民主党に合流しなかった国会議員15人で船出し、国会審議などで先駆的な政策提言を重ねてきた。24日には、無所属の参院議員3人が入党し、衆院7人、参院12人の計19人となった。
政治評論家の伊藤達美氏は「国民民主党は左派野党と違い、あくまで実現可能で、国民が納得する『提案路線』を今後も続けるべきだ。何より優秀な人材が豊富な政党だ。玉木氏以外もメディアへの露出が増えれば、世論の支持は必ず上がるはずだ」と語っている。