NHK「軍艦島」映像捏造疑惑、前田会長が初答弁「聞き取り、精査を行い事実は確認されなかった」「制作に直接関わった人からは話を聞けていない」

「軍艦島」こと、長崎県・端島の暮らしを記録したNHKのドキュメンタリー作品「緑なき島」に対し、一般財団法人「産業遺産国民会議」と「真実の歴史を追求する端島島民の会」が「事実の改竄(かいざん)が行われた」と告発している問題で、自民党の青山繁晴参院議員が30日、同院総務委員会で質問に立った。ヘルメット疑惑や保安規定に反する映像が撮影できた理由などを追及した。NHKの前田晃伸会長が初めて答弁した。

NHK総合で1955年に放送された「緑なき島」には、炭坑内で作業員がふんどし一丁になり、這(は)いつくばるような低い坑道で作業するなど、元作業員や元島民の証言と異なる映像が入っていた。
青山氏は端島炭坑の保安規定をもとに、「坑道の高さは1・9メートルなど、炭坑内の構造は厳格に決められていた。作業員が這いつくばるような空間はなく、裸のような姿で働くことも禁じられていた」「深刻な矛盾がある」「保安規定に違反する映像の撮影許可をどうやって取ったのか」などとNHKの映像に疑問を投げかけ、ヘルメットについて次のように指摘をした。
「端島炭坑で装着するヘルメットは『スターライト工業の国産第一号フェノール樹脂製ヘルメットKS』だが、NHKの映像では『タニサワ式ジュラルミン前ヒサシ型』に似たものを装着している」
つまり、ヘルメットも違うというのだ。
前田会長は「関係する資料の確認、取材や制作に関わった部署の関係者ら約100人への聞き取り、55年以前に撮影された炭坑映像の精査などを行った」「保管されていた140の炭坑の映像を確認した。すべてを足し合わせると約30時間」「結果、『緑なき島』において別の炭坑で撮影された映像が使用された事実は確認されなかった」と語った。
ただ、「番組の取材・制作に直接関わった人から話を聞けていない」とも明かした。
「緑なき島」の問題映像は、韓国メディアで相次いで取り上げられたうえ、釜山の「国立日帝強制動員歴史館」でも展示され、軍艦島で「虐待労働」があったとする韓国側のプロパガンダに利用されている。
青山氏は「NHKの映像が、真実に基づかない宣伝工作に使われている。公共放送として、報道機関として看過できないのではないか?」「元作業員の方々には、良質な石炭を掘ってきた誇りがある。それが(NHKの映像で)深く傷つけられた」「NHKには報道人として『誇り』『矜持(きょうじ)』を示してほしい」と指摘した。