政府は新型コロナウイルス感染が急拡大する宮城県と大阪府、兵庫県に全国初の「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の適用を決めた。人出の抑制や飲食店の営業時間短縮を強化するが、変異株が猛威をふるうなか、効果は疑問で、5月5日までの適用期間については6月以降への延長観測が早くも浮上する。東京都も今後、対象となる可能性が高く、専門家は「出口がさらに見えなくなった」と指摘、「無間地獄」となりかねない。 ◇ 重点措置は仙台市、大阪市、兵庫県の神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の計6市が対象。山形、沖縄両県への適用も検討したが、両県の意向も踏まえ、見送った。 対象地域には飲食店の営業時間を午後8時までに短縮するよう要請。酒類の提供は午前11時から午後7時までとし、飲食店などにカラオケ設備の利用自粛を求める。 時短協力金は中小企業最大10万円、大企業最大20万円とする。3府県のイベント入場上限を5000人とし、対策を強化する。 大阪府の吉村洋文知事は、重点措置適用を受けて、「外出自粛をお願いすることになる」としたうえで、「大阪市内の(東京五輪の)聖火リレーは中止すべきだ」と述べた。 重点措置の期間は5日から大型連休中の5月5日までの1カ月間としているが、これで感染が収束するのかは疑問だ。 元厚生労働省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は、「飲食店の営業時間短縮や重点措置の期間についても、実データが示されないまま決まっている。家庭内感染や高齢者施設での感染者が多いことも度外視している」と問題点を挙げる。 昨年4月の緊急事態宣言は、東京都の感染者数が頭打ちになっていた時点で実施されたが、それでも解除まで大阪や兵庫で約1カ月半、首都圏は2カ月弱を要した。 感染者が増加するなかで実施された今年1月の2度目の緊急事態宣言では、解除まで大阪などが2カ月弱、首都圏は約2カ月半かかっている。 今回は変異株という新たな懸念材料があり、事態はさらに厳しい。兵庫では新規感染者の約8割が感染力が高い英国由来の変異株だったとされ、大阪など各地でも変異株が既存の株に置き換わる兆しがある。 菅義偉首相は1日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、「ワクチン接種が行き渡るまで飲食店対策、検査の拡大、医療体制の確保を粘り強く進め、感染拡大を食い止める」と述べ、ワクチンが鍵であることを強調した。 政府分科会の尾身茂会長も「高齢者にワクチンが届く6月ごろまでが正念場だ。それまでリバウンドを避けることが現時点で最優先課題」と発言。西村康稔経済再生担当相も「変異株の拡大を念頭に置いて対応しないといけない」と前倒し解除に慎重な姿勢だ。
政府は新型コロナウイルス感染が急拡大する宮城県と大阪府、兵庫県に全国初の「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の適用を決めた。人出の抑制や飲食店の営業時間短縮を強化するが、変異株が猛威をふるうなか、効果は疑問で、5月5日までの適用期間については6月以降への延長観測が早くも浮上する。東京都も今後、対象となる可能性が高く、専門家は「出口がさらに見えなくなった」と指摘、「無間地獄」となりかねない。
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重点措置は仙台市、大阪市、兵庫県の神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の計6市が対象。山形、沖縄両県への適用も検討したが、両県の意向も踏まえ、見送った。
対象地域には飲食店の営業時間を午後8時までに短縮するよう要請。酒類の提供は午前11時から午後7時までとし、飲食店などにカラオケ設備の利用自粛を求める。
時短協力金は中小企業最大10万円、大企業最大20万円とする。3府県のイベント入場上限を5000人とし、対策を強化する。
大阪府の吉村洋文知事は、重点措置適用を受けて、「外出自粛をお願いすることになる」としたうえで、「大阪市内の(東京五輪の)聖火リレーは中止すべきだ」と述べた。
重点措置の期間は5日から大型連休中の5月5日までの1カ月間としているが、これで感染が収束するのかは疑問だ。
元厚生労働省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は、「飲食店の営業時間短縮や重点措置の期間についても、実データが示されないまま決まっている。家庭内感染や高齢者施設での感染者が多いことも度外視している」と問題点を挙げる。
昨年4月の緊急事態宣言は、東京都の感染者数が頭打ちになっていた時点で実施されたが、それでも解除まで大阪や兵庫で約1カ月半、首都圏は2カ月弱を要した。
感染者が増加するなかで実施された今年1月の2度目の緊急事態宣言では、解除まで大阪などが2カ月弱、首都圏は約2カ月半かかっている。
今回は変異株という新たな懸念材料があり、事態はさらに厳しい。兵庫では新規感染者の約8割が感染力が高い英国由来の変異株だったとされ、大阪など各地でも変異株が既存の株に置き換わる兆しがある。
菅義偉首相は1日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、「ワクチン接種が行き渡るまで飲食店対策、検査の拡大、医療体制の確保を粘り強く進め、感染拡大を食い止める」と述べ、ワクチンが鍵であることを強調した。
政府分科会の尾身茂会長も「高齢者にワクチンが届く6月ごろまでが正念場だ。それまでリバウンドを避けることが現時点で最優先課題」と発言。西村康稔経済再生担当相も「変異株の拡大を念頭に置いて対応しないといけない」と前倒し解除に慎重な姿勢だ。