ワクチン2回接種者がコロナ感染も「発症や重症化リスク下げる効果期待」日本医科大・北村義浩特任教授

65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、全国各地の自治体で始まる。人口の3割近くに当たる約3600万人が対象で、政府は重症者や死者の抑制をもくろむが、石川県では11日、ワクチンを2回接種した医療関係者の感染が明らかになった。
2月17日から始まった医療従事者に次いで、高齢者にもワクチンの接種がいよいよスタートする。65歳以上の高齢者は重症化リスクが高いことから、優先対象とされた。
ワクチンは5日の週に計100箱(1箱約500人分、計約5万人分)が各都道府県にまず送られた。第2、第3弾は12日の週と19日の週で、配送量はそれぞれ5倍に増える。26日の週には全市区町村に各1箱配送され、接種が本格化。その後は自治体の需要に応じて配布する。
ワクチンを担当する河野太郎行政改革担当相は9日の会見で、6月中には高齢者に接種する分のワクチンが確保できるとの見通しを示した。その上で「ワクチンには高い有効性がある。1人でも多くの方に打っていただきたい。1~2週間で(対象者全員に)打ちきれるものではないが、順番を待っていただきたい」と話していた。
また、河野氏は11日のNHK番組で新型コロナの情報管理システムを自治体の要望に応じて随時、更新していく考えを示した。全国知事会で社会保障を担当する平井伸治鳥取県知事が、厚生労働省が開発した「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」について「ややこしい。自由なワクチンの流れを止めるようになっては困る」と改善を求めたことに応えた。
一方で気になる情報も。石川県ではこの日確認された18人の新規感染者の中に、ワクチンを2回接種した病院勤務の派遣社員1人が含まれると明らかにした。県などによると、派遣社員は県立中央病院に勤務。3月13日と4月3日に接種を受けていた。
その後、感染者の濃厚接触者として検査した結果、感染が判明。患者と接する業務はしていないという。ワクチン2回接種後の感染判明について、県の担当者は「一般的に、ワクチンを接種してから抗体ができるまでは時間がかかる」としている。
日本医科大・北村義浩特任教授 大前提として、ワクチンは「接種すれば感染しなくなるもの」ではありません。発症リスクを下げたり、感染した場合の重症化リスクを下げる効果が期待されるものです。また、接種から抗体ができるまで2~3週間程度の時間を要することも考えておかなくてはいけません。ですから、12日に始まる高齢者の接種で「ワクチンを打ったから大丈夫」と考えるのは間違いで、引き続きマスクの着用など予防の継続は絶対に必要です。接客業の方などは特に。