福岡県で変異株拡大 1週間で1割未満から5割に急増

福岡県で新型コロナウイルスの新規感染者数が15日は109人に上り、2日連続で100人を超えた。1割未満で推移していた感染者に占める変異株の割合は5~11日の1週間で5割に急増。感染力が強いとされる変異株「N501Y」の疑い例が増加していることが感染急拡大の背景とみられる。変異株の割合が8割を超える大阪府のように年末年始の「第3波」を超える恐れもあり、医療関係者は危機感を強めている。
福岡県によると、県内では感染者の半数以上を抽出して変異株のスクリーニング(ふるい分け)検査を実施しており、3月19日に初めて疑い例が確認された。その後、4月4日までに33人の疑い例が判明したが、同5~11日は1週間で102人が判明。検査数に占める割合も前週の10%から49・5%に増えた。15日も1日だけで新たに40人の疑い例が確認された。
大阪府では3月5~11日の変異株の割合は24・7%だったが、4月9~11日は82・8%に達し、変異株が猛威を振るっている。15日の感染者数も1208人と過去最多となり、第3波の日別のピークだった654人(1月8日)のほぼ倍となった。東京都も変異株の割合が増えており、感染者の急増が懸念される。
福岡市医師会の平田泰彦会長は15日、福岡県内で流行しているウイルスは6月までにすべて変異株に置き換わるとの見方を示した上で「県内の感染者数は第3波のピーク(411人、1月16日)を超える可能性がある。ワクチン接種でなんとか第3波並みに押さえたい」と危機感を口にした。
ただし、県内の流行中心地である福岡市では15日に基礎疾患などを抱える一部の高齢者の優先接種が始まったばかりで、4月中に市に届くワクチンは約5400人分にとどまる。約34万人の高齢者全員の接種が本格化するのは5月の大型連休明けとみられ、ワクチンがどこまで感染を食い止めるかは未知数だ。
福岡県の服部誠太郎知事は15日に記者会見し「変異株による感染も含め、強い警戒感を持って状況を注視している。『まん延防止等重点措置』については感染や病床の状況をしっかり見極めて検討したい」と述べた。【比嘉洋、土田暁彦、光田宗義】