友人と遊んでいたら…「ドーン」と音、中1がひき逃げ車ナンバー伝える110番

ひき逃げ事件の現場に遭遇し、すぐに110番した中学生に福岡県警小倉南署が感謝状を贈った。中学生の通報が容疑者の摘発につながったといい、同署は「落ち着いた対応のおかげ」とたたえた。
感謝状が贈られたのは、北九州市小倉南区の中学1年の少年(12)。同署などによると、少年は昨年11月9日、同区内の公園で友人たちと遊んでいたところ、「ドーン」という大きな音を聞いた。駆けつけると、近くの交差点で自転車の男性が転倒していた。走り去る車を目撃していた男性が少年の友人に車のナンバーを伝え、友人から聞いた少年は携帯電話で110番した。
その後の捜査で、車を運転していた50歳代の男を特定。自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)に問われた男は懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
同署で8日にあった贈呈式で、西村利玄署長から感謝状を受け取った少年は「落ち着いて通報できたのでよかった。また事故現場に遭遇しても、しっかり通報できるようにしたい」と語った。

県警交通捜査課によると、県内で発生したひき逃げ事件は、昨年は262件で、2016年の350件に比べると減少。検挙件数は16年が175件、昨年は179件で、検挙率は16年の50%から昨年は68%に上昇している。同課の担当者は「通報時は車種や車体の色など、わずかな情報でも伝えられるように心がけてほしい」と話している。