3度目緊急事態宣言初日 大阪・梅田は閑散…酒類提供店に行列も 兵庫・宝塚劇場は人の波

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で25日、3度目の緊急事態宣言期間が始まった。4都府県では酒類やカラオケを提供する飲食店や百貨店、観光施設などが休業した。繁華街ではノンアルコール飲料で営業を続ける居酒屋がある一方で、要請に応じずに酒類を提供する店には行列ができるなど、足並みはそろわなかった。期間はゴールデンウィークを挟む5月11日までを予定している。
吉村洋文知事(45)が他都府県に先駆けて国に緊急事態宣言発令を要請した大阪府では、デパート、地下街、映画館、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など多くの商業・観光施設がシャッターを下ろした。
玄関口・梅田の阪急百貨店うめだ本店は、地下の食料品売り場だけ平日は開けるが、土日・祝日は休業とあって、ひっそり。地下の阪急三番街やホワイティうめだの各店も営業を控えて「人が集まる目的が減少する」(吉村知事)状況だったが、この日の大阪は最高気温23・7度の快晴。人流は少なくなく、強い日差しを避けるように地下街の通行人も多かった。梅田の観光案内所は「思っていたよりも人出が多い感覚。平日になればまた違うかもしれませんが」と話していた。
地上も思わぬにぎわいを見せた。全長約2・6キロメートルの天神橋筋商店街(天神橋筋六丁目~南森町)は延床面積の小さい店が軒をつらねて営業し、パチンコ店の音も外に流れた。商店街の天満近辺は“昼飲み”ができる居酒屋が多いが、要請に従って期間中は休業する店もあれば「お酒の提供はいたしません!」と店頭でアナウンスしながら営業する店舗も。要請を受け入れず、酒類を提供する焼き鳥店には行列もできるなど、対応はまちまちだった。
また、兵庫・宝塚歌劇ではチケット払い戻しなどの混乱を避けるため、宝塚大劇場で花組、宝塚バウホールで宙組の公演が例外的に上演された。26日からは中止になるが、花組千秋楽の予定だった5月10日は無観客上演でのライブ配信が決定。トップ娘役・華優希(はな・ゆうき)と2番手スター・瀬戸かずやの退団公演で、卒業セレモニーとサヨナラショーを行う緊急措置となった。同月5日の宙組大阪公演も同様に無観客上演で生配信される。(筒井 政也)