スリランカ女性死亡 法務省、医師と入管の食い違いを事前に把握

名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡した問題を巡り、法務省は13日の衆院法務委員会理事懇談会で、中間報告を作成する前にウィシュマさんの診療記録を入手したものの、入管側が「医師の記録は事実ではない」と回答したため、診療記録と異なる内容の報告を作成したと説明した。野党は「事実をねじまげた」と批判を強めている。
懇談会に出席した立憲民主党の階猛氏によると、法務省は報告作成前に、女性が外部病院で受けた胃の内視鏡(胃カメラ)の診療記録を入手したと認めた。診療記録には「(薬を)内服できないのであれば点滴、入院」との医師の指示が書かれていた。法務省は名古屋入管側に問い合わせたが「事実ではない」と回答したため、報告に「医師から点滴や入院の指示がなされたこともなかった」と記したという。
毎日新聞は13日付朝刊で、ウィシュマさんの診療記録を入手し、入管の報告と内容が食い違うと指摘していた。【宮原健太】