新型コロナウイルス対策で道内に緊急事態宣言が発令されて23日で1週間がたった。ソフトバンクの子会社「アグープ」(東京都渋谷区)が集約するデータを毎日新聞が分析したところ、宣言発令後の札幌市中心部の人出は、宣言前と比べて最大2割程度の減少にとどまっていることが判明した。強い感染力を持つ変異株の拡大も続いており、専門家は「今以上に人と人との接触を減らすしかない」と訴えている。【真貝恒平】
アグープは、JR札幌駅や札幌市営地下鉄すすきの駅などの半径500メートルにおける滞在人口をスマートフォン・アプリ利用者の位置情報から推計している。
公開されているデータを基に1時間当たりの平均の人出を比較すると、緊急事態宣言初日の16日の人出は1週間前の9日と比べ、JR札幌駅は98・6%、すすきの駅は85%にとどまった。平日となった宣言2日目の17日は10日と比べ、札幌駅は85・9%、すすきの駅は88・5%だった。
減少幅が最も大きかったのは、札幌駅は宣言後初の週末となった22日の79・7%、すすきの駅は21日の78・8%で、2割ほどにとどまった。特に平日の札幌駅の人出は20、21両日とも約7%しか減っておらず、道が要請するテレワーク推進による「出勤者の7割削減」が進んでいない現状も浮き彫りとなっている。
一方、小樽市の観光名所・小樽運河の人出はあまり変化がなく、宣言後の1週間のうち前週を下回ったのは20日と22日の2日間だけだった。
道内の感染者数は21日に727人と過去最多を更新するなど、宣言後も感染拡大に歯止めがかかっていない。鈴木直道知事は「人流を抑えることができるかが極めて重要だ」として不要不急の外出自粛を呼び掛けている。
札幌市など道内の感染状況について、札幌保健医療大の小林清一教授(臨床免疫学)は「札幌市は経路不明が60%を超えるなど高い水準にあり、感染者が多すぎて保健所も経路を追えない状況だ」と述べ、変異株の拡大で感染経路が終えない状況に危機感を示す。そのうえで「人と人との接触を避けるだけではなく、換気の徹底やマスクを2枚重ねて着用するなど個人レベルでこれまで以上に徹底してほしい」とさらなる警戒を呼び掛けている。