不漁、転覆事故…それでも「心意気」 根室さんま祭り開幕 22日まで

サンマの水揚げ量が9年連続日本一の北海道根室市で21日、「第27回根室さんま祭り」(同実行委員会主催)が開幕し、根室港の特設会場一帯は炭焼きサンマの香ばしいにおいが立ちこめた。サンマが食べ放題とあって開幕前から長蛇の列ができる一方、サンマ漁船の転覆事故を受け、花火などのイベントは中止された。
記録的不漁が続く今年のサンマ漁。しかし実行委は「根室の心意気」と炭火焼きサンマ用に約3万匹(約3・2トン)を確保。箸(はし)とトレー代(100円)を払えばお代わり自由でサンマを味わえる「岸壁炉端」のコーナーは、旅行者や家族連れでにぎわった。
開会宣言で田家徹実行委員長(59)は「水揚げが低迷し、漁場がかつてないほど遠く、過去にない不漁の中、サンマ漁船の痛ましい事故が起きてしまいました。このサンマを大切に味わっていただきたい」と呼びかけた。
水揚げが少ないため、毎年恒例のサンマのつかみ取りは中止とした。さらに1人死亡7人不明の漁船転覆事故を受けて、予定されていた花火ともちまき、巡視船一般公開も中止になった。
札幌市から友人3人で来た会社員、近藤久絵さん(29)は「不漁でも(祭りを)やるって、すごいですね」と話した。22日午後3時まで。【本間浩昭】