政府は24日、新型コロナウイルスワクチンの接種を加速させるため、自治体や医療機関向けの支援策を取りまとめる方針を固めた。救急救命士を「打ち手」として活用することなどが柱で、近く発表する。この日は自衛隊による大規模接種が東京と大阪の会場で始まったほか、宮城、愛知、群馬各県も独自の会場を開設するなど、政府が掲げる高齢者向け接種の「7月末完了」に向けた動きが加速している。
政府関係者によると、支援策は〈1〉接種を行う「打ち手」の増員〈2〉診療所の医師の報酬引き上げ〈3〉問診態勢の強化――などが主な内容だ。
打ち手不足の解消は、加速化のための最大の課題とされる。菅首相は24日、東京都内の大規模接種会場を視察後、記者団に「救急救命士ら数万人を確保したい。打ち手不足のところに派遣できるように全力を挙げて取り組んでいきたい」と強調した。政府は臨床検査技師にも協力を求める方向で調整している。
報酬引き上げでは、かかりつけ医による接種回数を増やしたい考えだ。現在は医師が平日の日中に接種を行った場合、1回2070円の対価が支払われる。支援策では、これに加え、50回ごとに10万円前後を支払うほか、通常診療を取りやめて接種に充てた場合にも協力金を支給する方向だ。首相もこの日、「接種の費用を上乗せしてほしいという要望もある。しっかりと支援していきたい」と明言した。
このほか、接種前の問診を初期研修医に任せる案や、薬剤師が来場者の相談などにあたる案も浮上している。また、オンラインによる問診の導入も検討する。医師が接種会場とは別の場所から効率的に問診できるようにするものだ。
加藤官房長官は24日の記者会見で、「医療機関などへの支援を行うことで、各自治体の体制整備に向けた取り組みを国としても推進していきたい」と述べた。
17府県、独自会場を設置の方針
自衛隊による大規模接種が始まる一方で、24日までの読売新聞の集計によると、都道府県の3割強の17府県が独自の接種会場を設置するか、設置する方針を示していることが分かった。
これらの府県のうち、宮城、群馬、愛知の3県では24日に接種が始まり、会場ではモデルナ製のワクチンが使用された。埼玉県は6月1日、京都、大阪府が6月中旬に、接種を計画している。
このほか東京都内では、4月に八王子市が高齢者向けの集団接種を始めるなど、多くの自治体で接種が進んでおり、24日には千代田区でも始まった。