東京、大阪など10都道府県に発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言について、20日の期限通りに解除される公算が大きくなったと11日付の産経新聞が報じた。東京ではインド株の流行による感染再拡大リスクが指摘されるが、飲食業界の窮状は限界を超え、一刻も早い解除を求めている。政府は来週後半に解除の可否を検討するが、難しい判断を迫られる。
内閣官房の集計(9日時点)によると、東京、大阪など8都府県は新規感染者数の指標が最も深刻な「ステージ4」を脱して3以下となり、病床使用率も改善基調にある。政府は宣言の発令要件である「全国的かつ急速な蔓延(まんえん)の恐れ」という状況は脱しつつあると判断している。ただ、北海道と沖縄県では一部の指標がステージ4で、なお慎重に見極めて判断する構えだ。
松井一郎大阪市長は10日の記者会見で「全ての人が再延長は勘弁してくれと考えている。20日で宣言は終わらせたい」と強調した。
著名な料理店経営者や蔵元も10日、記者会見を開いて飲食産業の窮状を訴え、関連18団体の見解として、感染防止対策を取った店舗に関しては時短や酒類提供禁止の措置を緩和するよう政府に呼び掛けた。
山口県で日本酒「獺祭(だっさい)」を造る旭酒造の桜井一宏社長は「飲食は密接に地域の経済とつながっている。その生態系を守ってほしい」と要望。京都市の料亭「菊乃井」経営の村田吉弘氏は「京都は閑散として、街の灯が消えたような状況だ」と訴えた。
一方で懸念されるのがリバウンドだ。東京都のモニタリング会議では、主要繁華街の人出が4週連続で増加していることから、専門家が「近く新規感染者数が下げ止まり、再び感染拡大に転じる可能性が高い」との見解を示した。感染力が高いとされるインド株が主流になる可能性も挙げられている。
都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は会議後、「今後2週間程度が特に重要な局面だ。しっかりと人出を抑制する必要がある」と話した。その言葉どおりなら、20日の解除ではやや早いことになるが、大丈夫か。