NHKかんぽ報道問題 経営委議事録の全面開示求め提訴

かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組を巡ってNHK経営委員会が2018年に当時の上田良一会長を厳重注意した問題で、経営委の議事録などを開示請求していた醍醐聡・東京大名誉教授らが14日、NHKに全面開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。毎日新聞などが行った同様の開示請求で、NHKが設置する第三者機関が全面開示を求める答申を出しているとし、「直ちに開示されるべきだ」と主張している。
訴状などによると、NHKは18年4月、かんぽ不正を追及する番組「クローズアップ現代+(プラス)」を放送。日本郵政グループの抗議に同調した経営委が同年10月、会長を厳重注意した。原告側は「経営委による番組介入があった。再発防止が必要」として、21年4月に経営委の議事録開示をNHKに求めた。
NHKは開示請求があった場合、原則30日以内に開示・不開示を判断するが、必要に応じて延期も可能と定めており、NHKは「時間を要する」として2度の延期を原告側に伝えた。これに対し原告側は、第三者機関「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会」が同様の開示請求に全面開示を求める答申を出していることから「開示を引き延ばしている」と訴えている。
原告側は、開示されず精神的苦痛を受けたとして、NHKと経営委の森下俊三委員長に計208万円の賠償も求めた。提訴後に記者会見した醍醐名誉教授は「誰がどんな発言をしたのかを明らかにしたい」と話した。NHKと森下委員長は「訴状の内容を確認して対応を検討する」とコメントした。【遠山和宏】