感染研「7月後半にも宣言再発令の可能性」 変異株の影響試算

国立感染症研究所は16日、新型コロナウイルスの感染力が強いとされるインドで確認された「L452R」変異株の影響が小さかったとしても、東京オリンピック・パラリンピック期間中の7月後半から8月前半に緊急事態宣言の再発令が必要となる可能性があるとの試算を公表した。L452R変異株の影響が大きい場合、最速で7月前半の再発令の見通しも示した。
新型コロナの感染対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)の会合で報告された。6月20日で東京都の緊急事態宣言が解除されることを前提に、五輪開催に伴う人出の増加やワクチン接種の進み具合、L452R変異株の感染力や流行度合いなどを基に複数のパターンを試算した。
感染力が英国で確認された「N501Y」の1・2倍で、8週間かけて置き換わる場合を「影響が小さいパターン」、感染力が1・5倍で4週間で置き換わるケースを「影響が大きいパターン」などに分類した。
「影響が小さいパターン」では、20日の宣言解除後に人出が10%増だとすると、7月後半から8月前半に東京の新規感染者が1日1000人以上に相当し、宣言の再発令が必要になる、とした。五輪の開催に伴い人出が増えた場合、1日1000人以上になるタイミングが早まる結果となった。「影響が大きいパターン」では7月前半から中旬に前倒しとなる。
宣言を発令しなくて済むケースとしては、L452R変異株の影響がなく、人出の増加も15%以下に抑えることができることを条件に挙げている。
ABは16日、現在の感染状況について、東京で人出が5週間連続で増加していることを踏まえ「感染者のリバウンド(再拡大)が強く懸念される」と記した。脇田座長は「ワクチン接種が進めば重症者数は減るが、ただちに大丈夫だということではない。人出や変異株への置き換わりを抑える対策をしないといけない」と指摘した。【石田奈津子】