国会閉会へ、都議選や衆院選への動き加速…野党は閉会中審査要求へ

第204通常国会は16日午後、150日間の会期を終えて閉会する。国会閉会を受け、与野党は7月4日投開票の東京都議選や、東京五輪・パラリンピック後に想定される衆院選に向けた活動を本格化させる。
16日未明の参院本会議では、安全保障上重要な土地の利用を規制する「重要土地等調査・規制法」が、自民、公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
同法の成立を巡って、15日午後から16日未明にかけて、与野党の攻防が繰り広げられた。立憲民主、共産両党は採決を阻止するため、森屋宏参院内閣委員長(自民)と水落敏栄参院議院運営委員長(自民)の解任決議案を相次いで提出して抵抗した。いずれも与党などの反対多数で否決されたが、同法の本会議での採決はずれ込み、16日午前2時半頃に成立した。
同法は、自衛隊や米軍基地、原子力発電所などの周囲約1キロ・メートルや国境離島を「注視区域」に指定し、政府が土地や建物の利用実態や、所有者の氏名・国籍などを調査できるようにするもの。外国資本による不透明な土地買収に歯止めをかける狙いがある。
今国会は1月18日に召集され、官民のデジタル化を推進する司令塔「デジタル庁」の創設を柱としたデジタル改革関連法や、一定以上の収入がある75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる改正高齢者医療確保法などが成立した。
16日の衆参両院の本会議では、閉会中審査など会期末手続きが行われる予定だ。
菅首相は、当面は新型コロナウイルス対策を優先し、夏には経済や国民生活の立て直しに向けた大型経済対策を策定する方針だ。東京五輪・パラリンピック後の9月中に衆院解散に踏み切る方向で調整している。政府・与党は、新型コロナ対策の「切り札」となるワクチン接種に全力を挙げ、五輪・パラリンピックを成功させて、政権浮揚につなげたい考えだ。自民党の下村政調会長は16日午前、「スピード感を持って、多くの方々にワクチン接種をしてもらい、追加の経済対策もしっかりと考えていきたい」と強調した。
立民、共産、国民民主の野党3党の国会対策委員長は同日午前、国会内で会談し、新型コロナ対策などについて閉会中審査を求める考えで一致した。今後の選挙戦を見据え、政府・与党との対決姿勢を強める考えだ。立民の安住淳国対委員長は会談後、「(閉会中も)定期的に様々な調査会や勉強会を行い、野党としての発信をきちっとやっていきたい」と、国会内で記者団に述べた。