2019年参院選広島選挙区を巡る大型買収事件で現金50万円を受領していた今田良治・広島市議(74)が15日、河井克行元衆院議員=公職選挙法違反で公判中=の裁判で「受け取った金はまちづくり団体に寄付した」とした証言を覆し、「寄付はしていない」と証言が虚偽だったことを認めた。偽証罪に問われる可能性があるが、「寄付の口約束をしていたので間違ってはいない」などと反論。市議会に説明した「(寄付金は)団体から返金された」も事実と異なり、今田市議は「訂正はしていない。申し訳ありません」と謝罪したが、議員辞職は否定した。【中島昭浩、賀有勇】
今田市議は20年11月、東京地裁であった河井被告の公判に証人として出廷し、19年3月と6月に計50万円を受け取ったが、12月に「二つの団体に全額寄付した」と証言した。
市議会が、現金を受領した市議13人に求めた21年3月の説明会では「団体から返金があった」と話していた。
取材に応じた今田市議は、受領した現金を「まちづくり団体に使ってもらうのが一番いい」と考え、団体に持参したところ「段取りが整ったら相談に行く」と受け取りを留保され、事務所に戻って机の引き出しにしまっていたと説明。「相談が来たら現金を渡すつもりだった」とし、公判では「寄付した」と証言したと釈明した。
証言の翌日、報道を見た団体から「受け取っていない」と抗議されて寄付の話がなくなり、事務所から現金を持ち帰って生活費などに充てたという。
20年8月には、受け取ったのと同額の現金を管理する口座から引き出し、克行被告の議員会館に郵送したとした。
県警は21年2月、「今田市議の行為が寄付行為に当たる」とする市民の告発を受理。今田市議は県警の任意聴取に一連の経緯を説明したという。県警は6月10日、公選法違反(寄付行為の禁止)の疑いで書類送検した。
今田市議は3月の市議会説明会について「公判証言との違いに気付いていたが、(公判の)一連の流れでそう説明をした」と言葉を濁す一方、「司法の判断を待って自分で判断したい」と議員辞職を否定した。