全国の児童相談所(児相)を対象とした厚生労働省研究班の初の実態調査で、子供の外傷事案など児童虐待で対応した深刻なケースを警察に情報提供している児相が約8割に上ることが、わかった。研究班が15日、報告書を公表した。ただ、心理的虐待なども含めた全件を共有している児相は約4割にとどまることも判明。研究班は「虐待の早期発見に連携は重要だ」と指摘している。
東京都目黒区で2018年3月、船戸
結愛
(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が死亡した事件を受け、政府は同年7月、警察と児相の情報共有の徹底を盛り込んだ緊急対策を関係閣僚会議で決定した。
実態調査は2020年11月~21年1月に実施され、全国220児相(当時)のうち6割に当たる142児相が回答した。
国は、児相が受理した事案の中でも、特に「子供がケガを負った事案」や「育児放棄(ネグレクト)」、「性的虐待」については警察との情報共有を求めている。こうした深刻な事案について、子供の氏名や住所などの情報を共有しているのは120児相(85%)に上った。
ただこのうち、子供の前で親が家族に暴力をふるうといった心理的な虐待なども含めた全件を警察に伝えているのは55児相(39%)にとどまった。
一方、研究班は47都道府県の警察本部にも調査。警察が子供を保護したものの児相に引き取りを断られ、虐待通告ができないケースがあったと回答したのは36本部に上った。
研究班は報告書に「児相と警察が双方で(児童虐待への)対応方針をすり合わせることが必要だ」と記している。