菅首相(自民党総裁)は9月中に衆院を解散し、自らの任期満了に伴う総裁選を衆院選後に先送りする方向で調整している。「再選シナリオ」は、東京五輪・パラリンピックと新型コロナウイルスのワクチン接種が鍵を握る。内閣支持率が低迷すれば、衆院選前の総裁選を求める声が高まりかねない。
「私の(総裁)任期はこの秋と決まっている。それまでのどこかで(衆院解散を)判断しなければならない」。首相は17日の記者会見で、9月末までの総裁任期中に、衆院解散に踏み切る考えを示した。首相の念頭にあるのが、東京五輪・パラ閉幕後の9月だ。最有力シナリオは、9月上旬の臨時国会の冒頭解散で、投開票日は10月10日か同17日が軸となる。
その場合は、解散・総選挙が、9月に予定される総裁選に優先される。総裁選日程は、総裁公選規程により8月末までに公表する必要がある。総裁選告示前に解散すれば、総裁選は凍結となるが、総裁選の投票権を持つ党員軽視といった批判を招きかねない。無用な反発を抑えるため、日程公表前に両院議員総会で総裁選の後ろ倒しを決定する案も浮上している。
首相が「衆院選―総裁選」の順序にこだわるのは、無派閥で党内基盤が盤石でないためだ。衆院選に勝利して総裁選に臨めば、波乱は起きないとの読みがある。首相の後見役といえる安倍前首相は、「(総裁選の)前に選挙があれば、国民が菅首相を選んでいる。その後に党内で代えるのか。それはおかしい」と明言する。